過去ログ - 【咲エロ】由暉子「外に出すって言ったのに……」京太郎「ユキおこプンプン丸?」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 17:56:31.62 ID:W46MV/bg0
由暉子「……うんしょ、うんしょ」

夕日に照らされて、スーパーのレジ袋を両手に抱えた小さな影が、俺の影の隣りをぴょこぴょこと歩いていた。

京太郎「夏とはいっても、やっぱり北海道は日が落ちるのが早いよなー」
以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 17:56:58.72 ID:W46MV/bg0
由暉子「ふふっ、私、また京太郎くんに助けられちゃいましたね」

京太郎「荷物が重いならこっちに回せよ。俺はまだ大丈夫だから」

由暉子「いえ、大丈夫です。大体、先輩たちとの買い出しじゃんけんに負けたのは私ですし、これ以上、付き合ってくれている京太郎くんの手を煩わせるわけにはいきません」
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 17:57:40.86 ID:W46MV/bg0
由暉子「変に勘繰られる? 先輩たちに何か隠し事でもあるんですか?」

京太郎「……はぁ」

溜息しか出ない。
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 17:58:11.08 ID:W46MV/bg0
由暉子「あっ、全部持たれると私の分がなくなってしまいます」

小走りで俺を追い抜くと、通せんぼするみたいに俺の前に立ちはだかるユキ。
ちょっとだけ頬を膨らませて、上目使いに俺を見つめてくる。

以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 17:58:41.02 ID:W46MV/bg0
京太郎「……わかった、わかったよ。それじゃあ、一番重たいこの袋を二人で持とう」

由暉子「二人で、ですか? ふふっ」

京太郎「俺、なんか変なことでも言ったか?」
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 17:59:08.89 ID:W46MV/bg0
中学の頃、ユキはメガネをかけた地味な少女だった。
おまけにクラスの奴らから面倒事を押し付けられても二つ返事で引き受けたあげく、それを本人は頼りにされてると感じてしまうような残念な思考の持ち主で……
今思えば、あれは一歩間違えれば、いじめの域に入る危険な状態だった。
だから俺は――
真屋由暉子は都合のいい奴。
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 17:59:57.86 ID:W46MV/bg0
京太郎「いや――違うか」

最後の輝きを放ちながら、夕日が山の稜線の向こう側へと消えていく。
真っ暗になった空を見上げれば、夜空に輝く丸い月とそれを見守るように浮かぶ一番星。

以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 18:00:32.51 ID:W46MV/bg0
京太郎「……そういえば今日は満月か。もうすぐ夏休みで、そうすりゃインターハイもあっという間に始まる。行けそうか?」

由暉子「わかりません。ですが、先輩たちのためにも一つでも多く勝ちたいと思います」

夜空を見上げるユキの目にはもちろん俺の姿なんて映っていない。
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 18:01:17.40 ID:W46MV/bg0
由暉子「私もどこかで読んだことがあります。満月の明るさは一等星を四十万個集めた明るさだそうです」

京太郎「四十万個か。それは知らなかったな。そう考えると星の明るさなんてちっぽけなもんだよな。新月の時なんて、どんなに空が晴れてて星が見えても明かりがなけりゃ夜道を歩けねえし」

俺は空を見上げながら呟く。
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 18:01:46.45 ID:W46MV/bg0
まあ、こんだけ挙動不審じゃ気付かれるよな。
もはや苦笑すら浮かばない。
ユキは不器用でお人好しで要領も悪いが、馬鹿じゃない。
これだけ俺が馬鹿をやってれば、感付かれるのも当然か。

以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/01/01(木) 18:02:13.99 ID:W46MV/bg0
由暉子「あれ? 誰もいませんね?」

真っ暗な部室に入ると中には誰もいなかった。
いや、真っ暗になってるんだから誰も中にいないのが普通なんだけど。

以下略



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