36:名無しNIPPER
2015/01/05(月) 20:49:34.01 ID:0wpfjsKk0
手渡されたパックのお茶を握って頭を下げます。お金、いいのかな。かしゅっ、と缶のプルタブを持ち上げたリン君は、缶の端を持って揺らしながら、戸惑いっぱなしの花陽の方をちらり見て、たぶんね、と口を開きます。
リン「これは、リンの考えなんだけどさ…多分、始めから物事を解決する術は元の世界にあるんだよ。きっと。
なら、ここで知ったって結果は変わらないけれど――あんまりそれはしない方が良いことだと、リンは思うんだ。
キミは、なんだか、元の世界に対して酷く尻込みしてる感じだったから……うん、マキ君なら――なにか手助けしてくれるんじゃないかと思っただけ。たいした考えがあった訳でもない。
まあ、ただの持論だから、別に解決してくれても構わなかったんだけどさ。
マキ君が元の世界で真姫ちゃんに聞いた方がいいっていうなら、リンはそれを尊重するにゃ。
反対する理由はないさ」
マキ「オレは、今、なんとなく…そうなんじゃないかって思っただけなんだがな。ったく、なんでそうも慣れてんだよお前は…」
それは、さっきのマキ君の言葉の話でしょうか。やけにリン君がすごく賢く見えます。凛ちゃんと変わらないはずなのに。よく分からずぽけっとする花陽の目の前で、マキ君がヤジを飛ばすように、不機嫌そうに言います。
マキ「……で、ハナヨは?いたのか?つーか戻る方法、そんだけ自信満々ならなんか思い付いたんだろうな」
リン「にしし、いやあ、カヨチンには会えなかったけど……あ、でも、戻る方法なら分かるよ。どうする?」
そう呼び掛けられて、我に帰った花陽は、はひっと情けない声でつい、座るマキ君を伺います。片目だけでこちらを見るマキ君は、いいんじゃないの、と言っている気がして――いえ、きっと違います。これは花陽自身が思っていることに、違いありませんね。他の人に後押しばかり求めちゃ、きっとダメなんです。それじゃあ、凛ちゃんの背中を押した人として、凛ちゃんに申し訳がたたない。首をぶんぶんと振って。
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