過去ログ - あやかしの地獄
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32: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/06(火) 02:27:37.45 ID:RN7L+xaq0
チイちゃんは指に絡みついた妾の髪の毛を、
舌でねぶり取り、味わうように噛み締めました。
プチン、プチンという音が聞こえます。
しばらくそうしていたかと思うと、ゴクリと喉を鳴らすのです。

以下略



33: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/06(火) 02:30:01.86 ID:RN7L+xaq0
妾はモウ必死でした。
チイちゃんの耳まで裂けた大きな口から逃れようと、一足飛びに逃げのきました。
死に物狂いで曲がりくねった道を駆け抜けました。
自分でもモウ、何処をドウ走ったか覚えておりません。
ただ、後ろからいつまでも、いつまでも……チイちゃんの笑い声と歯の鳴る音が追いかけてきた事だけは記憶しております。


34: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/06(火) 02:32:50.54 ID:RN7L+xaq0
チンドン、チンドン、チンドンドン……。

荒い息をしいしい、妾が立ち止まった所です。
ちんどん屋の鳴り物が、すぐ近くで聞こえました。


35: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/06(火) 02:34:12.27 ID:RN7L+xaq0
妾は訳も分からぬマンマに、途方も無い距離を走っていたようでした。
もうチイちゃんの姿は見えません。
ホウ、と一息ついたのと同時に、妾は友達を一人失った事に気付きました。


36: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/06(火) 02:36:14.81 ID:RN7L+xaq0
温かい涙が流れ出ます。
チイちゃんはもう、人では無かったのです。
優しくて、可愛らしく、クラクラとするような色気を放つ、魅力溢れる彼女は……。
モウ、人では無いナニカに堕ちてしまったのです。


37: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/06(火) 02:37:46.33 ID:RN7L+xaq0
エエ、エエ……ダッテ、よりにもよって、妾を……。
鼈甲飴のヨウに、胃袋へ収めようとするのですもの……。

人であるはずがありません。
人であってはいけないのです。
以下略



38: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/06(火) 02:39:13.54 ID:RN7L+xaq0
どうか、ドウカ……願わくば……。
人では無いモノとなった彼女の、御霊だけでも、せめて人らしく在りますヨウに……。

妾は手を合わせました。
ちんどん屋の鳴り物はもう聞こえません。
以下略



39: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/06(火) 02:40:23.08 ID:RN7L+xaq0
祈りを終えて、涙を拭います。
その時になって、やっと、初めて、



以下略



40:名無しNIPPER[sage]
2015/01/06(火) 10:35:10.97 ID:mUiU1XcAO
乙。
続くの?



41:名無しNIPPER[sage]
2015/01/15(木) 19:30:38.14 ID:7ZrYUakf0



42: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/18(日) 00:34:40.36 ID:uP2qnu460
2

……オホホホホホホホ……。
どういう事なのか、サッパリ分からないでしょうね。
エエ、妾もそうなのですから当然でしょう。
以下略



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