過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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12:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:06:38.38 ID:EM5bJfah0
 公開されていない内容でしたが、慌てるような事ではありません。

 その代わり、別の事を考えます。

 ボクの対戦相手にかける言葉を。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:07:53.34 ID:EM5bJfah0
 埼玉の小さい会場で行われるライブバトル。

 ボクと対戦相手の歌と踊りが終わり、お客さんの審査が始まります。

 入場と共に渡されたはずのボタンを押して、ボクと対戦相手、どちらが魅力的だったかをお客さんが選び、人数の多い方が勝者となるシステムです。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:10:12.50 ID:EM5bJfah0
 ライブバトルに保護者の同伴は不要との事で、ボクが来なくていいですよ、とお母さんに言ったのです。

 山梨東京間を一週間毎に移動するのは、それだけで疲れる事ですし、移動費用も馬鹿になりません。

 それになにより、お父さんとお母さんには、ちゃんとアイドルになってから、ステージに立つボクの姿を見て欲しかったのです。
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:12:29.98 ID:EM5bJfah0
 どうしてボクが負けたのですか?

 自分に問いかけます。

 けれどわかりません。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:14:33.78 ID:EM5bJfah0
「来週も同じ時間に来い」

 彼は短くボクに告げました。

 無機質な声で、興味のなさそうな澄んだ目をボクに向けて。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:15:56.69 ID:EM5bJfah0
 三連敗。

 この言葉の意味が、重圧が、酷くボクに圧し掛かっています。

 最終選考を合格するためには、次は必ず勝たなければならないのですから。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:17:25.07 ID:EM5bJfah0
 一週間はあっという間に過ぎ、四度目のライブバトルの日になりました。

 予定より一時間以上早く会場に到着。

 ボクは発声練習やストレッチをして、入念に準備を整えます。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:20:11.84 ID:EM5bJfah0
 胸に手を添えなくても全身に伝わる鼓動がその正体。

 自分で言うのもあれですが、柄にもなく、ボクは緊張しているようです。

 中学の入試の時も、これほど体は強張りませんでした。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:21:53.48 ID:EM5bJfah0
 化粧室に着いたボクは洗面台の前に立ち、濡れないように前髪を大きく分けて髪留めを付け直しました。

 冷たい水を両手に集め、飛び散らないように顔を浸けます。

 指の隙間から洩れ、掌の水が減ると、もう一度。
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:23:39.71 ID:EM5bJfah0
 鏡から目を背け、ボクはかぶりを振ります。

 大丈夫。

 絶対に大丈夫。
以下略



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