過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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15:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:12:29.98 ID:EM5bJfah0
 どうしてボクが負けたのですか?

 自分に問いかけます。

 けれどわかりません。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:14:33.78 ID:EM5bJfah0
「来週も同じ時間に来い」

 彼は短くボクに告げました。

 無機質な声で、興味のなさそうな澄んだ目をボクに向けて。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:15:56.69 ID:EM5bJfah0
 三連敗。

 この言葉の意味が、重圧が、酷くボクに圧し掛かっています。

 最終選考を合格するためには、次は必ず勝たなければならないのですから。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:17:25.07 ID:EM5bJfah0
 一週間はあっという間に過ぎ、四度目のライブバトルの日になりました。

 予定より一時間以上早く会場に到着。

 ボクは発声練習やストレッチをして、入念に準備を整えます。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:20:11.84 ID:EM5bJfah0
 胸に手を添えなくても全身に伝わる鼓動がその正体。

 自分で言うのもあれですが、柄にもなく、ボクは緊張しているようです。

 中学の入試の時も、これほど体は強張りませんでした。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:21:53.48 ID:EM5bJfah0
 化粧室に着いたボクは洗面台の前に立ち、濡れないように前髪を大きく分けて髪留めを付け直しました。

 冷たい水を両手に集め、飛び散らないように顔を浸けます。

 指の隙間から洩れ、掌の水が減ると、もう一度。
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:23:39.71 ID:EM5bJfah0
 鏡から目を背け、ボクはかぶりを振ります。

 大丈夫。

 絶対に大丈夫。
以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:24:27.95 ID:EM5bJfah0
「……ない」

 スポーツバッグの中に、あるはずのモノがないのです。

 手袋もある、髪飾りもある、けれどありません。
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:26:42.16 ID:EM5bJfah0
 無意識の内に取り出した?

 それもあり得ません。

 なにしろそのブーツは、衣服の下に入れいました。
以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:28:17.71 ID:EM5bJfah0
 いつ?

 ついさっきでしょう。

 ボクがスポーツバッグから離れたのは、先程化粧室に行った時だけです。
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:29:51.73 ID:EM5bJfah0
 現在、室内にいるのは八人。

 化粧室に行く前、何人この部屋にいたのか、記憶していなかった事が悔やまれます。

 顔も覚えていれば、犯人を特定出来たかもしれないのに。
以下略



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