過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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13:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:13:34.55 ID:CL7Y8+DEo

「は、入ったクマッ!」

「まだよ、生きてる……何か来るよっ!」

再び、背後で、久慈川りせとクマの声。何か来る。俺がその言葉に、身をひこうとした瞬間、割れかけたドクロの眼窩から、例の触手が飛び出し、ダンテの羽ペンに絡みついてきた。
よく見ると、それは触手ではない。まるで髑髏に寄生し、その内部に住んでいるかのように身を潜めていた、真っ黒い蛇だった。その牙が、羽ペンを這い上がり、ダンテの腕に食らいつこうとしている。

「させるかよ」

ペンを髑髏から引き抜くと、それに釣られるように、蛇の細長い体が、空中へと引きずり出された。―――本体はこっちの蛇ってことかい。

「やれっ!」

俺が力み、声を上げると、それに呼応するかのように、羽ペンが閃光を帯び始める。這い上がってきていた蛇の体の大半が、熱をはらんだ閃光によって焼かれ、俺自身が驚く程の速度で燃え尽き、炭となり、地に落ちる。やがてそれらは、黒い瘴気となって、空中に霧散していった。

「待って……まだ、まだ来る! 攻撃をやめないで!」

霧となった蛇の体を見送り、振り返ろうとした俺に向かって、久慈川りせが叫ぶ。言われるがままに、再び髑髏のいたほうに視線を向ける……髑髏はまだ、消えていなかった。
ひび割れた双眸を食い破るようにして、現れたのは、やはり、蛇。それも、無数の、だ。
そもそも、髑髏の外殻そのものが、無数の蛇によって編まれた生地のようになっていたのだ。それが一度に解き放たれ、俺の背中……ダンテの背中へと差し迫ってくる。

「……やれやれだ」

言われるまでもない。攻撃は、続いているーーー羽ペンの閃光は、まだ消えていない。髑髏に背を向けかけた体を、再び正面に向ける……山吹色に煌くペンを、振り払いながら。
羽ペンが大気を薙ぐとともに、閃光が横一文字に走り、蛇の群れの先頭を掠める。その一点から、炎が燃え広がった。蛇の群れを炎が埋め尽くし、集えば子供の背丈ほどもあった、髑髏のなれ果てどもを焼く。
やがて、燃え尽きたものから煙となり、瘴気となり、空中に放たれ、暗黒の空の色と混じってゆく……。

……三ヶ月ぶりの実戦の割には、いい戦績だったんじゃないだろうか? そんなことを思っていると、やがて、ダンテの姿が半透明となり、俺の体へと還って来た。
そして、その直後。空間全体がひび割れるかのような音が、頭上から聞こえた。見上げると、空に亀裂が走っている……閉鎖空間が、消滅しようとしているのだ。


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