過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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3:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:02:06.90 ID:CL7Y8+DEo

「ふうん」

どうやら、俺の返答は、朝倉の興味を引いたらしい。パイプ椅子から腰を上げた朝倉が、机を離れ、団長席の内側に回りこみ、ディスプレイを覗き込んで来た。石鹸の香りがして、思わずドキっとすると同時に、諸事情があって、一瞬ヒヤッともする。

「久慈川りせか。あなた、こういうの好きなの?」

「別に。ま、別に嫌いじゃあないけどな。」

件のアイドルについて、俺は特に意見を持たない。好きで観ていたわけでもない。ただ、ネット上に表示されたバナーにマウスカーソルをあわせたら、いきなり動画が流れ出したのだ。最近の広告ってのはよく出来ているもんだ。若干のうざったさも感じるが。

「何か色気のない返事ね。ちゃんと自分の意見、持ってる?」

朝倉はつまらなそうに目を細め、ぷい。と音を立てながら、ディスプレイから視線を外した。心配されなくとも、俺は言いたいことがあったら言うタイプだと自負しているよ。

「ふーん……ね、ところで、涼宮さん、遅いわね」

朝倉は、興味を失ったことを隠す素振りも見せず、すたすたと元いた位置へと戻り、椅子に腰をかけた。もう文庫本を読むつもりはないらしい。椅子の背に体をあずけ、ぐいと伸びをしながら、思い出したように、現在不在の団長の名を口にした。

「ハルヒなら掃除当番だ」

「知ってるわよ、同じクラスなんだから。でも、それにしても遅いじゃない。いつもの涼宮さんなら、掃除当番なんて光の速さで終わらせて、部室にやってくるのに」

朝倉の言葉に、はて。と、俺は時計を見る。 既にHRが終わってから、一時間近くが経とうとしている。 たしかに、ハルヒにしては遅い。一時間も時間があれば、この俺でさえ、教室の掃除を終わらせられる。
あの手際がよく、薄ノロいのが嫌いなハルヒなら、もう三十分は早いはずだ。それでいて仕事が雑なわけでもないのが、あいつの不思議なところでもある。

「涼宮ハルヒは渡り廊下にいる」

窓辺から発せられた声に、俺と朝倉は揃ってそちらに視線を向ける。 ハードカバーとの格闘を繰り広げていた新月色の眼が、俺たちに向けられていた。
団員ナンバーその二、長門有希。朝倉ともども、ちょっぴり宇宙人なところが個性の文学少女である。


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