過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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75:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 19:19:09.86 ID:CL7Y8+DEo

「こりゃ……どういうことだ」

目の前の光景に、俺は一瞬、言葉を失う。朝倉の白く透き通っていた左手が、まるで石の表面のような鈍色を帯びている。ついでに、質感にもハリがない。

「見ての通り、石にされちゃったってわけ。これのおかげで、戦うのもままならないし、朝比奈さんとの通信もできなくなっちゃったしね」

戦うのはまだしも、通信が取れなくなったってのはどういうことだ?

「私のベアトリーチェは、左腕にナビの機能を持っているペルソナなの。アンテナをもぎ取られちゃったようなものっていえば分かりがいいかしら」

なるほど。俺はテーブルに両肘を突き、しばし頭を抱えた。イゴールの言っていた、どこかで俺を呼ぶ声、というのは、この二人からのSOSコールだったんだろうか。
しかし、よりによって、助けに駆けつけたのが俺では、二人共不安だろう。ついでに、二人を助けなきゃいけない状況となった俺の胸中にも、不安が実っている。

「しばらくは大丈夫よ、悪魔から離れることだけは必死になってやったから。私も久慈川さんも、ペルソナの気配を消しているし、見つかることはないはずよ」

多分ね。と、最後に付け加え、石となった左手で頭を抱える朝倉。ペルソナの気配? 何から何まで訊き返してばかりで悪いが、そりゃ一体どういうことだ?

「あなた、知らないの? ペルソナのオーラを遮断して、気配を消すのよ。……ねえ、それじゃあなた、今もペルソナのオーラをを垂れ流しにしているっていうこと?」

へ?
……一瞬の間の後。俺は、自分がやらかしてしまったかもしれないことの重大さに気づき、口を押さえた―――その、直後だった。

がっしゃーん。

「見つかった!?」

「あなたのせいでしょうが!」

立ち上がり、音のした方向へ視線をやる。音は、出入り口のガラス戸を吹き飛ばすようにして、室内に転がり込んできた。弾き飛ばされたドアベルが、天井にぶつかり、地面に落ち、カラカラと音を立てる。


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