過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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97:名無しNIPPER[saga]
2015/01/08(木) 18:15:00.13 ID:YFKlq4sxo
閉鎖空間内との通信は、何の前触れもなく、突然途切れた。みくるは、何が起こったのかわからず、一瞬言葉を失ってしまう。

「どうかしたんですか?」

白鐘の言葉で、はっと我に返り、すぐに、ペルソナへ意識を集中させ、もう一度、閉鎖空間内と通信を試みる。しかし……できない。通信はおろか、いくらペルソナの神経を研ぎ澄ませても、閉鎖空間の感知すらできないのだ。みくるの精神力が尽きてしまったわけでもない。

「閉鎖空間が……見つからないんです」

思わず、声が、涙で滲む。みくるの言葉を耳にした白鐘は、怪訝そうに眉を顰めた。まさか、みくるのペルソナが、力を失ってしまったというのだろうか。突然の事態に、みくるの頭がパニック状態に陥りかけた時。

「たった今、閉鎖空間の消滅を確認した」

言葉を発したのは、長門だった。みくる、白鐘と、長門の間に、数秒程の沈黙が舞い降りる。やがて、みくるは気づく。長門の言葉の意味が、頭に染み込む。みくるの意識の先に、つい先程まで存在した閉鎖空間の手応えが、跡形もなく消滅しているのだ。
つまり……どういうことか? みくるは、考える。みくるの意識が確かなら、たった今まで、閉鎖空間内では、『彼』と、喜緑江美里。そして、里中千枝という少女とが、悪魔との戦いを繰り広げていたはずだった。

「消滅した……? つまり、先輩たちは、解放されたんですか?」

白鐘が、長門を見ながら言う。長門は、言葉を発さずに、小さく頷いてみせた。

「閉鎖空間内に逗留していた者たちは、全員、この世界に帰還した。ただし、『悪魔』はまだ消滅していない」

「悪魔は、消滅していない……? 朝比奈さん、先程まで、里中先輩たちをナビゲートしていましたよね? 何があったか、わかりませんか?」

「は、いえ……あの、確か、キョンくんたちは……悪魔を倒したと、思います。でも、悪魔の反応が消えた直後に、突然閉鎖空間が消滅して……」

「まさか……悪魔が、こちらの世界に?」

「! ちょ、ちょっと待ってください」

白鐘の言葉を聴き、みくるは再度、ペルソナを召喚する。そして、先程まで別次元へと向けていたカミルラの神経を、みくる達のいる、この世界へと移動させ、再び意識を集中する。


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