156: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:38:40.81 ID:uiIgEyu/o
「あ、今年も頑張るからね!楽しみにしててね!」
157: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:39:18.20 ID:uiIgEyu/o
「こんにちは、今年も大変ねえ。子ぎつねちゃん」
「ああ、おばあちゃん。こんにちは。本当にそうなんだよ」
158: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:39:44.41 ID:uiIgEyu/o
それだけ言うとおばあちゃんは僕にコーヒー豆をくれて手をひらひらをたなびかせて去っていった。
なんていい人なんだおばあちゃん。
いやわかってたけども。
159: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:40:10.60 ID:uiIgEyu/o
一応、念のために、奇跡を願いながら白面ちゃんがいる台所をこっそり覗きに行く。
案の定そこにはエプロン姿で湯煎中の白面ちゃんがいた。
どうやら今年もばっちりチョコレートがあるようだ。
160: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:40:36.82 ID:uiIgEyu/o
「はぁ……今年もか……」
161: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:41:06.14 ID:uiIgEyu/o
「浩二さん」
「ああ、総次郎君……君はいいよねえ……白ちゃんからもらえるんだろう?」
162: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:41:33.07 ID:uiIgEyu/o
「ま、まぁ頑張ってください。浩二さん」
「あぁ、ありがとう。君は早く白ちゃんのところへ行っておやり」
163: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:42:01.26 ID:uiIgEyu/o
「もう少しだけ逃げ回っていたいなぁ……」
「あら、何から逃げ回りたいのかしら?」
164: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:42:27.94 ID:uiIgEyu/o
「いやぁ、その。ほら、街がカップルだらけじゃないですか。ああいう空気から逃げたいんですよ」
「へぇ、あなたにもそういう時があるのねえ。普段は人に見せつけてばかりのくせに」
165: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:42:54.15 ID:uiIgEyu/o
「これって……」
「今日は何の日だと思っているのかしら?」
166: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/02/14(土) 00:43:21.07 ID:uiIgEyu/o
日も傾いてきたし、そろそろ逃げ回るのも終わりにしなければならない。
このままとんずらをしてもいいのだが、次の日に白面ちゃんと母上にこっぴどく叱られるのが目に見える。
嫌な気持ちを押しこめ、前面に出してしまわないようにとこらえつつ家路を急ぐ。
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