81: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 19:59:34.62 ID:n6XkU/tv0
暗黒騎士はその時頭で考えて行動してはいなかった。
駆けた先、勇者の足元付近に剣が落ちていた。だから、拾った。
そして無防備な魔王の胸に、剣を深く突き刺した。
魔王「無駄だと――」
しかし、次の瞬間魔王の顔が歪む。
余裕が崩れた…?疑問に思いながら剣を引っこ抜く。そして違和感。
魔王が口から血を吐く――傷口が再生しない?
暗黒騎士は無心ながらも、普通の体が相手であれば致命傷になる一撃を放っていた。
それを無防備で喰らった魔王は、そこに崩れ落ちる。
魔王「その剣か――」
暗黒騎士「…え?」
魔王の視線の先、自分が手に持っていた剣を暗黒騎士も見る。
魔王「その剣から勇者の加護を感じる」
暗黒騎士「…!?」
この剣は勇者に預け、勇者が磨いていたもの。
だがまさか、それだけでこの剣が魔王を討つ為の刃になったとでも…!?
魔王「世の中は不可解なことで成り立っておるのう」
魔王は弱った様子で、大きく笑った。
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