過去ログ - 女勇者「私の死を望む世界」
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85: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 20:01:44.87 ID:n6XkU/tv0
不死の体を持たぬ暗黒騎士は、人間への侵攻を慎重に行っていた。
人間達の主要な国の要人と英雄を片付ける為動いていたが、彼らも手ごわく侵攻は順調にはいかなかった。

だが、それ以上に――

魔物「魔王様、今日の侵攻は魔王軍の敗走となりました」

暗黒騎士「そうか…犠牲が少なかったならそれでいい」

暗黒騎士は魔王になって、積極性を失っていた。

勇者「お疲れですか?」

暗黒騎士「まぁな…だが心配するな」

勇者「はい…無理しないで下さいね」

暗黒騎士「…」

魔王が死んだと同時、勇者の紋章も消えた。勇者とは魔王がいるからこそ存在できるものだ。
従うべき存在も、勇者の運命に翻弄される者もいなくなり、暗黒騎士の戦意は大分削がれていた。

それでも勇者は、暗黒騎士の側を離れなかった。

勇者「私が必要とされていないことは変わりありませんから」

紋章を失った勇者は死を望まれる存在から、また誰からも見向きされない存在に戻っただけ。
だがそんな勇者を救いたいという気持ちは、暗黒騎士にもまだ残っていた。

暗黒騎士「俺の側にいろ、勇者」

こうして勇者は人知れず、暗黒騎士の妻となった。


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