過去ログ - 男「一から始める」義妹「兄妹関係」
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1:名無しNIPPER
2015/01/10(土) 00:16:02.99 ID:96H73UZ20
太陽の日差しがチカチカとめに射し込んでくる。
蒸し暑い熱気と、それに拍車をかけるように鳴り響く沢山の蝉の音。
母方の両親の元へ父の盆休みをキッカケに訪れたある家族。
都会では中々見られない田舎の風景に心踊らせながら少年は呟く。
男「なあ、妹。せっかく普段来られない場所に来てるんだから、どうせなら外に出ないか?」
来年には中学に進学する予定の少年、男はまだ思春期に足を踏み入れておらず、子供らしい意見を本能に任せて口にする。
妹「結構です。私は兄さんと違ってやることがありますから」
田舎町に相応しい祖父母の住む日本家屋。その縁側に座りながら妹は家から持参した小難しい小説を手に取り読み出した。
男「お前いっつもそうやって一人で本読んでるか、勉強しかしてないよな」
妹「そういう兄さんこそ遊んでばかりですね。もう半年も経てば中学に進学することを忘れているんですか?」
男「いいんだって。そもそも父さんも母さんも俺にはなんの期待もしてないだろうし」
少しだけ寂しさを含んだ物言いで男はそう呟いた。
妹「確かにそうですね。あの二人が期待を寄せてるのは私ですから」
兄である男に対して遠慮を微塵も感じさせない妹の発言。
男の一つ下の年でありながら、既に偏差値の高い有名大学の入試問題に手をつけ、周りから天才少女と呼ばれる妹。
普通の兄と、早熟ながらもまだまだ伸び代の塊である妹。二人を比較した時、どちらに期待を寄せるのかは言うまでもない。
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2:名無しNIPPER
2015/01/10(土) 00:34:29.95 ID:96H73UZ20
男「まったくもってその通りだけど、お前ももうちょっと他にいい言い方なかったのかよ」
妹「そもそも話を振ってきたのは兄さんでは?
私は事実を述べただけです」
3:名無しNIPPER
2015/01/10(土) 00:50:16.44 ID:96H73UZ20
男「学校でみんなと話しができなくて家でこっそり泣いてなかったっけ?」
妹「いったい何の話でしょうか? 私の記憶の中ではそのような出来事一度たりともありませんでしたが?」
男「クラスの子たちの輪に入りたくて必死に流行りの遊びや話題を俺と一緒にこの間調べてたよな?
4:名無しNIPPER
2015/01/10(土) 01:10:10.17 ID:96H73UZ20
妹「兄さんのそういうところ、私嫌いです。
人の都合も考えないで自分のペースに相手を巻き込むところとか」
男「ごめん、ごめん。でも俺は妹と一緒に遊びたいんだよ」
5:名無しNIPPER
2015/01/10(土) 01:17:39.83 ID:96H73UZ20
今日はここまで。
現在携帯からなのでPCに移ればもう少し早い更新になる予定です。
6:名無しNIPPER[sage]
2015/01/10(土) 12:49:54.93 ID:qnqsbIyVO
男もその歳にしては割と大人だな
7:名無しNIPPER[sage]
2015/01/10(土) 17:43:42.83 ID:25KCmK2vo
期待で胸がいっぱい
8:名無しNIPPER[saga]
2015/01/11(日) 03:10:20.72 ID:Nk89QALaO
タイトルを2キャラに分割させて言わせて興味もってもらおうとするスタイルな…
9:名無しNIPPER
2015/01/12(月) 22:43:49.44 ID:0bpOksLA0
>>6
妹がそれ以上に大人びていますから兄としての意地などで比較的精神的に大人ですね
>>7
期待に応えられるように頑張ります
>>8
10:名無しNIPPER
2015/01/12(月) 23:10:29.01 ID:0bpOksLA0
とはいえ、妹を大事に思っていると言うことを男は殊更主張したいわけでもなかった。
天から贈られた奇跡の産物。そんな才能を生まれながらに備えた妹はだからこそ、両親や周りの人間から溺愛され、その全てに汚点がつかないよう大事に、大切に守られている。
異常とも言える両親の過保護さはもう二度と手に入る可能性のないものを手放したくない必死さの裏返しでもあるのだろう。
だが、それが全てにおいて功をそうしているかというとそうでもない。
妹がいくら頭がよくて、大人顔負けとはいえ彼女はまだ子供だ。大人の期待や周り子供の羨望が重荷に感じることだってある。
11:名無しNIPPER
2015/01/12(月) 23:11:52.33 ID:0bpOksLA0
だからこそ妹は直接口には出さないものの、周りに対して不満を持っている。私は、あなたたちの代替品じゃない。自分には自分の人生があるのだと。
だが、それを口にしても思春期の気難しさの一言で大人たちには済ませられてしまうだろう。それか、身近な人間に何かを吹き込まれたかと拡大解釈をしてしまう。
真っ先にその矛先を向けられるのは兄である男である。一般家庭においては普通で済まされる男の成績や行動も天才の妹と比較した場合は《不良》に変わる。
腐った蜜柑は隔離しろ。妹が悪影響を受けたと口にしたら両親がそんなことを言い出しても不思議ではない。何しろ、男と違い妹は彼らにとって替えが聞かない存在なのだから。
日頃の自身と兄への両親の接し方から両親の過剰反応を心配している妹はそのような理由から重荷を背負っていながらも不満や愚痴は口にしなかった。
12:名無しNIPPER
2015/01/12(月) 23:28:05.76 ID:0bpOksLA0
妹「それで兄さん」
男「ん? どうかした?」
妹「どうかした? じゃありません。結局何をして遊ぶのですか」
13:名無しNIPPER
2015/01/12(月) 23:50:42.95 ID:0bpOksLA0
――――
祖父母の家から歩くこと十五分。連なる山々にピタリと寄り添う形で流れゆく河川に二人は訪れた。
もちろん、水着やゴーグルといった川で遊ぶ際に必要な道具は持っていない。できることといえば精々が川の浅瀬で水遊びをするか透き通った川の中で泳ぐ魚たちを見るかくらいだった。
そして、川に到着してから三十分が経つ頃にはやることが尽きてしまい、妹は時間の経過と共に不満を口にしだした。
14:名無しNIPPER
2015/01/13(火) 00:03:08.46 ID:MVI8wn5Z0
男「えっ……? ……はぁっ?」
妹「キスですよ、キス。ドラマでよく見てるでしょ」
男「いや、それは知ってるけど意味がわからない。なんで今いきなりそのことが?
15:名無しNIPPER
2015/01/13(火) 00:03:55.81 ID:MVI8wn5Z0
妹「あら、ごめんなさい。まさか兄さんが勘違いするとは思わなかったものですから。
普通家族間で行われるキスといえば頬にするものだと私は思っていたものですから」
男「ぐ、ぬぬぬ……」
16:名無しNIPPER
2015/01/13(火) 00:04:59.04 ID:MVI8wn5Z0
とりあえず今日はここまでで
17:名無しNIPPER[sage]
2015/01/13(火) 00:06:16.81 ID:dVckiv6io
いいところでとめなさる
おつ
18:名無しNIPPER[sage]
2015/01/13(火) 04:48:45.72 ID:ULvqUo7e0
これはなかなか
19:名無しNIPPER[sage]
2015/01/13(火) 19:10:32.44 ID:GEDoT//FO
はよ
20:名無しNIPPER
2015/01/14(水) 18:27:35.01 ID:Is9am8Mh0
>>17
ありがとうございます。続きも頑張ります。
>>18
期待していただけるとありがたいです。
>>19
21:名無しNIPPER
2015/01/14(水) 18:28:37.85 ID:Is9am8Mh0
妹「もう、兄さん。一体いつまでからかったことに腹を立てているのですか?」
男「……フンッ」
妹にからかわれ、羞恥心から少し彼女から離れて一人になりたかった男であったが、そんな彼の考えを知ってか知らずか妹は男に続くように後ろを歩いていた。
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