117:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:32:56.38 ID:sdjP5j9j0
「今日が終わっちゃう前に、もう一度伝えておかなくちゃ」
「なに?」
118:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:34:10.55 ID:sdjP5j9j0
最終話「春風」
「…もういい?」
119:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:35:10.73 ID:sdjP5j9j0
「…あたり」
「えへへ」
120:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:35:49.34 ID:sdjP5j9j0
気分転換に散歩に出かけることにした。
最近すっかりあたたかくなって、もうコートは必要無い。
121:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:42:39.82 ID:sdjP5j9j0
公園前通りの横断歩道で赤信号に捕まった。
歩行者横断用の押しボタンを押そうとすると、
小さな女の子がふたり、手をつなぎながら駆けてくる。
122:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:43:17.33 ID:sdjP5j9j0
ふたりに続いて一歩を踏み出そうとすると、澪ちゃんがわたしの右手をつかんだ。
「こっちの道から行こう」
123:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:44:16.74 ID:sdjP5j9j0
「さっきの子たち…」
「うん」
124:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:44:59.11 ID:sdjP5j9j0
彼女たちの姿はもうとっくにどこにもない。
わたしは澪ちゃんの左手をぎゅっと握った。
澪ちゃんがきゅっとわたしの右手を握り返した。
125:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:46:36.89 ID:sdjP5j9j0
「あの、さ。ちょっと寄りたいところがあるんだけど」
「いいよ、どこ?」
126:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:47:09.78 ID:sdjP5j9j0
はちみつ色の午後が過ぎてく。
春は、すぐそこまで来ている。
瞳に映る全部が、輝いて見えた。
127:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:48:29.29 ID:sdjP5j9j0
ふたりで桜を見に行こう。
今年の桜も。
来年の桜も。
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