49:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:31:46.88 ID:sdjP5j9j0
店内には流れているクラシックが、突然大きくなったように聴こえた。
「…ごめん、ムギ。わたし、なんだか眠くなってきちゃった」
からっぽになったグラスの中の氷が、ふちに当たってからんと音を立てる。
「寝ていいよ。どうせ朝までまだ時間はあるんだし」
「ごめんな…。じゃあちょっとだけ」
「……うん。おやすみなさい」
そのまま澪ちゃんはうつ伏せになった。
わたしは冷めてしまっておいしいのかまずいのかよくわからなくなったブラックコーヒーをゆっくりゆっくり飲みながら、窓の外をぼうっと眺めていた。
闇夜のなか、眩しく、煌々と照る月。
釣り針のように細い月は、鋭く光を放ちながら夜空に浮かんでいる。
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