97:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:15:54.72 ID:sdjP5j9j0
それから、
いくつも、いくつものトンネルを抜けて、
列車は走って行った。
トンネルを抜けるたびに、雪の量が増えていく。
電車の扉の隙間から漏れてくるしんと冷えた空気に、北国を感じた。
雪は光に照らされてきらきらと輝いている。
夕日はもうほとんど沈んでしまっていて、
世界の境界線を、夜でも昼でもない曖昧な色に染めながらわたしたちを照らした。
右も左も見たことのない景色だった。
右側に座る澪ちゃんが、左手でぎゅっとわたしの手を握った。
ほんのりと伝わってきた熱は、カイロのせいじゃ、なかったはずだ。
わたしは右手で澪ちゃんのウォークマンを掴むと、
音楽のボリュームを、ちょっとあげた。
ロッケンロールは鳴り止まない。
エンドレスリピート。
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