過去ログ - P「失恋」
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1:即興・遅筆・駄文です[saga]
2015/01/15(木) 22:34:41.75 ID:7tGAuO9v0
私は、よく転ぶ。人からはドジっこといわれることも多い。

それにしたって、今日の失敗はとても大きかった。


忘れ物をして、慌てて取りに戻った事務所。

今日、小鳥さんは風邪でお休みだったから、この時間ではもう鍵は閉まっているかもしれないなぁ。

そう思っていたけど、明かりがついているのが外から見えた。

律子さんは直帰って言ってた気がするし、もしかして・・・・

私は期待に胸を膨らませながら階段を駆け上る。

どうしよう、夜の事務所で二人っきり・・・・。えへへへ





でも、聞いちゃった。

さすがに分かるよ。二人が、どういう関係か。ドアの外まで楽しそうな声が聞こえる。

悔しくて、羨ましくて、どす黒くて、でもそれに対する嫌悪感もあって。心はバラバラに動こうとする。

私はたまらず、走って駅まで戻ってしまった。




誰もいない電車の中で考える。

どうして、あの子なの?

どうして、私じゃないの?

あの子が、私より頑張ったからだよ。

でも、私だって、お菓子も作って、精一杯アピールして。それなのに?

でも、あの子は選ばれた。私は落とされた。オーディションと一緒だよ。

でも、でも、でも、でも、でも。


何度繰り返しても結果は変わらない。

分かっているのに、頭では考えるのが止まらない。

もしもあの子が居なかったら、私があそこにいた可能性はありますか?

こんなことを考える自分が厭で。


「私・・・嫌な子なのかな・・・・・」


小さく、小さく呟く。自分に、そうではないと言い聞かせるように。

だって、二人は幸せなんだから。私は、それを応援したいんだ。

ねえ、そうでしょ?

違うの、私?





明日は、何としてでも、笑って事務所に行かなきゃ。

私がどんなに悪い子で、あの子を妬んでいても、自分を憎んでいても。

天海春香は、笑って事務所に行かなきゃ。

天海春香に、涙は似合わないから。

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