過去ログ - P「失恋」
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2:即興・遅筆・駄文です[saga]
2015/01/15(木) 22:55:32.93 ID:7tGAuO9v0
部屋にたどり着くと、私はそのままリビングに倒れこむ。


暫くそうしていただろうか。


ゆっくりとひっくり返り、天井を見つめる。

でもすぐに目を瞑った。

見たくないものを、見ないように。


けれど、瞼の裏に浮かんでくる。

私は腕で目を力強く覆う。

私の視界と、頭を、真っ黒に塗りつぶせるように。


けど、やっぱりダメ。

より暗くなった劇場では、はっきりと映画が見える。


映画?


何を言っているのかしら、映画なんて。

現実逃避も甚だしいわね。


「・・・・・あのうーみあーのまーちかどーはー・・・・・・・」


こんな形であの歌の意味を知ることになるとは思わなかった。

・・・・いいえ、正確には違うわね。


私は、相手にもされていなかったから。

裏切られたわけじゃ無いし、ごめんなんて謝られることもない。



ただ、私は勇気が持てなかったのだ。

あの子は、私より勇気を持っていた。


気が付くと、私は頬に熱いものが流れているのに気付いた。

悲しくて泣くなんて、随分柔らかくなったのね、私は。

それも、あの人とあの子たちのおかげ。

だから、私は彼女を責められない。

死ねばせめてあの人の記憶に残るかしら?

いいえ、それでは私の記憶は嫌な記憶になる。それは死ぬより嫌だ。

「・・・・今日からはしっかり食べましょう」

夕ご飯の準備をしながら心に誓う。

明日からは、もっとレッスンに妥協を許さない。

仕事だって選り好みしない。

私は、あの人の理想のアイドルになりたい。

それが、私があの人の中に留まれる、唯一の方法だから。


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