11:名無しNIPPER[saga]
2015/01/18(日) 23:47:52.05 ID:3lgqmWylo
穂乃果「でも、この歌詞を見ても嘘をついてるとは思えないなあ……でも、本当は何か別に書きたいことがあったってこと、だよね?」
心の迷いを完全に見透かされてしまい、二の句も告げず俯いてしまった私を、いつもよりトーンを落とした優しい声で穂乃果ちゃんが次の言葉を促してくれました。
花陽「うん……そこに書いてあるのは、全部私の本音。憧れの舞台に立てるのが嬉しくて、みんなと居るのが楽しくて、そんなみんなと一緒に勝ちたいから強くなりたくて……
それは全部本当なの。恥ずかしかったけれど、ちゃんと自分の言葉を隠さずに書いたつもり。
でも……書けば書くほど、思っているのは本当だけれど、これが今一番誰かに伝えたい気持ちなのかな? って考えちゃって……
だけど、スケジュールのこととか、失敗しちゃったらどうしようって思うと、自分が本当に伝えたい気持ちってなんなのか全然分からなくなっちゃったの。
それでも完成はさせないと協力してくれたみんなに申し訳ないから、必死に書いたんだけれど……」
海未「そうだったのですか……やはり、今回は話が急すぎましたからね」
ことり「時間も無い中で、一人での作業だったもん……辛かったよね」
真姫「歌詞自体は形にはなってはいるけれど、花陽自身がそう思ってる以上は無理して歌う意味がどれだけあるのか疑問ね。
それにこれから作曲して練習することまで考えると、今の時点でもうギリギリよ」
花陽「そう……だよね。だから、今回は……」
凛「かよちん!!」
諦めの言葉をつぶやこうとした瞬間、私の目の前で静かに話を聞いていた凛ちゃんが大きな声をあげて、私の両手を包むように握りました。
凛「まだ諦めちゃダメだよ! あと少しだけ頑張ってみよう? 凛も一緒に考えるから、徹夜だってなんだって一緒にするから……」
花陽「でも、私……やっぱり自分のことをうまく伝えるのは向いてないよ……」
凛「凛だって、かよちんと真姫ちゃんが背中を押してくれたからもう一度可愛い服を着る勇気が出たんだよ?
ぶっつけ本番のファッションショーでのライブを成功させられたんだよ? だから、かよちんだってできないわけないよ!」
花陽「凛……ちゃん……」
凛「それに凛知ってるよ、ずっと前から誰にも負けないくらいアイドルに憧れてきたことも、μ'sのみんなとがんばる中でどんどん強くなってきたことも……
だから、憧れだけで終わらないかよちんが見たいの! かよちんが本当のアイドルとして輝く姿を見せて欲しいの!
なのに……ぐすっ、向いてないなんて言っちゃ、イヤ、だよぉ……!」
花陽「っ!?」
凛ちゃんの言葉が、ほとんど涙声になったところでやっと気づきました。
凛ちゃんの優しい瞳から、ぽろぽろとしずくが流れ落ちていることに……
私が情けないから。嘘をついたから。弱音を吐いたから……
小さい頃からの一番大切な友達に、こんなに悲しい顔をさせてしまった……
花陽「……ごめんなさいっ!」
その事実に耐えられなくて、凛ちゃんの泣き顔を見ていられなくて……
弱虫だった私は、教室を飛び出してしまいました。
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