過去ログ - 恭子「いつか聞きたいその2文字」
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3: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:23:46.63 ID:DsjzTcAto

私が初めて麻雀部の部室を訪れたとき、彼女は既に卓を囲って打っていた。
入学初日で、しかも入学式とオリエンテーションが終わった1時間後のことだ。
彼女と一緒に卓を囲っているのは皆上級生らしく、お互いをニックネームで呼び合っている。
はじめは上級生が4人で打っているのかと思っていた。
しかし、周囲の先輩の口ぶりから、彼女はどうも私と同じ1年生らしいということを知る。
そこで私が彼女に抱いた印象は、図々しい奴、だった。

それだけならまだ良かった。
打っている最中、彼女はやたら口うるさく喋り立てる。
ツモアガリすれば『まいどあり』、出アガリすれば『ごちそーさん』。
牌を切るときも3ピンと言いつつ1ソーを切ったり。
ドラを切るときもドラであることをやたら強調するし。
おまけに時々変な言葉遊びが付いていた。

遠目に見ているだけで、私のイライラは最高潮。
雀荘には時々マナーの悪い打ち手がいたりすると聞くが、アレもその類なのだろうか。
しかもここは雀荘ではない、高校の麻雀部の部室。
麻雀の技量を磨くために各々が研鑽する場なのだ。
彼女が口を開くたび、下家に座っている先輩の顔が心なしかひきつっているように見えた。
注意しようかと悩んだが、私も来たばかりの1年生、ずかずかと出て行って注意するのは気が引けた。
その代わり、こいつとは絶対に関わらないでおこうと、心に誓った。

彼女が昨年度インターミドルの覇者・愛宕洋榎であることを知ったのは、その翌日のことであった。


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