85: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/15(日) 16:48:39.03 ID:IK6jdd6z0
爪は宙を裂く。
相手の身は軽い。連続攻撃をかわされ、距離を取られる。
魔人「でりゃああぁっ!!」
それでも俺は攻めの姿勢を崩さない。
責め続けることで、事実、相手は反撃できずに回避に専念している。
ここから反撃が来るのか、それとも俺の攻撃が当たるのか、それは読めない。
戦略――そんなものは考えていない。
魔人「オラ、オラ、オラアァッ!!」
攻め続けるのは俺のスタイル。
勿論それは万能ではなく、死にかけたことだって何度もある。
それでも――
魔人「どうしたオラアァ!!逃げるだけかよ、臆病なヤローだなあぁ!?」
俺は攻める以外の方法を取ろうとは思わなかった。
暗殺者「く…」
振った爪が相手の衣服を裂く。
段々勘がつかめてきた。この爪が肉を裂き、鮮血に染まるのにはそう時間がかからないだろう。
魔人「く、くくくっ」
鮮血の感触を思いだし、ゾクゾクする。
平和ボケした生活に染まっていたが、やはりこれが俺だと、安心感を覚えた。
攻めて、攻めて、攻めて――
魔人「死ねコラ――」
暗殺者「――っ!」
殺れる――そう確信し手を振り上げた時だった。
魔人「――っ!?」
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