87: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/15(日) 16:49:34.99 ID:IK6jdd6z0
初めて聞いた、女の大声だった。
そこにいた奴は全員、女の方を振り返る。
僧侶「やめて下さい…お願いします!」
女は不自由な足ながら、急いでこちらに向かっている様子だった。
魔人(あの馬鹿…転ぶぞ)
女が聖職者とわかる格好をしているせいか、暗殺者どもは女を無視せずに待っている。
女は側に来ると、ハァハァ息を切らしながら声を発した。
僧侶「お願いします、その方を見逃して下さい…!!」
暗殺者「そうはいかない…こいつは魔王軍の残党だ」
僧侶「その方は人を襲いませんから…」
暗殺者「この身体的特徴は魔人だろう。こいつは魔王軍の暴れん坊で、大勢の人間を殺したと聞く」
魔人(馬鹿な女だな…)
見逃してもらおうとは思っちゃいない。そもそも、俺は更生なんかしちゃいない。
そうだ。この女との出会いが俺を変えるなんて――そんなわけ、ないだろ。
それだというのに、この女は――
僧侶「ここ数日彼を見てきた私が保証します…彼はもう、無害な存在です」
どうしてこう、適当なことをほざけるのか。
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