過去ログ - [オリジナル] The Five Elements 〜New Contract Peach Warrior〜
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名無しNIPPER
[sage saga]
2015/02/14(土) 09:10:43.17 ID:638Opjkd0
「――くん、朝だよ……」
(ん……?)
「――くん! 起きて!」
(確か俺は……)
おぼろげな世界はやがて確たるものへ変わっていく。
「――和間(カズマ)くん……!」
「うーん…… おはよう千春」
「もう! やっと起きた!」
カーテンの隙間から眩しい光が俺を差している。
鳴り響いていた警鐘はいつの間にか止んでいた。
どうやらあれは目覚まし時計のアラームだったらしい。
ベッドから体を起こす。
俺の自室となっている広い洋室。
床一面に華麗に敷かれた高価そうな絨毯。同じく高価そうな本棚や鏡台、家具一式。大きなベッド。
まるで富豪の豪邸の一室…… いや、実際そうなんだけど。
「もう…… 9時過ぎてるよ?」
「――やば…… 大遅刻だ!!」
「遅刻? 今日は日曜日だよ?」
「――そうだった…… 休みだから9時にアラームを設定したんだった……」
「ふふふ…… 和間くんおかしい」
俺を覗き込む同い年の女。
長く艶やかな黒髪と、鮮やかに澄み渡る藍の双眸。美しい造形をした面。
優しく俺を見つめる大きな青い瞳に吸い込まれそうになって、思わず視線を逸らす。
「まだ入学して間もないから…… 疲れてた? 大丈夫?」
「うん…… 昨夜はなかなか眠れなくてさ」
「やっぱり疲れが溜まってるんだよ。今日はゆっくりした方がいいよ?」
「特に予定ないし、そうするよ。千春は?」
「私は友達と約束があるんだ」
「さっそく友達が出来たんだ」
「さっそくって…… 入学して間もないとはいえ1週間は過ぎたんだし。友達は出来るよ」
「そっか……」
「和間くんも早く友達いっぱい作らないとね」
「そんなにいらないよ」
「――それじゃ、約束の時間来ちゃうから行くね?」
「うん」
「朝食はラップに包んでおいたから。ちゃんと食べてね!」
「うん…… ちなみにメニューは?」
「和間くんが好きなものだよ。冷蔵庫に入れてあるからちゃんと食べてね?」
「うん。ありがとう」
「それじゃ行ってくるね!!」
「行ってらっしゃい――」
そうして彼女は踵を返し俺の部屋を出て行く。
去り際の綺麗な微笑が夢の中で探し求めていた幻と折り重なった。
一人になった部屋。
腹の虫が空腹を知らせる。
(――起きるか)
ベッドから出てスリッパを履き、部屋着のまま重い体を引きずってリビングへ向かった――
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