過去ログ - 霧矢あおい「ガール・ミーツ・ガール」
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15:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:58:37.35 ID:AzX2k9iN0
 結局、思いっきりお洒落してしまった。たかが女友達と一緒にぶらぶらするだけなのに気合入り過ぎとか思われないだろうか。凄くガーリーな感じで、私らしくないかも。それにそれに、こういうコーデにするなら髪もいじりたかったような。ていうか、私の髪大丈夫かな、朝ちゃんと見たけど、乱れてないかな。

いちご「お待たせ、あおい」

 き、来た!
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:05:27.48 ID:AzX2k9iN0
あおい「あ、え、あ、ありがと……」

 顔が熱い。なんで。ただ褒められただけなのに、なんだかすごく恥ずかしい。

いちご「よーし、それじゃあ私も頑張って服選んじゃうぞ! もう少し待っててね、あおい」
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:14:52.53 ID:AzX2k9iN0
あかり「霧矢先輩、こんにちは」

あおい「あ、あかりちゃん。こんにちは」

 考え事をしていた所為か、あかりちゃんが近付いて来るのに気付かなかった。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:17:43.81 ID:AzX2k9iN0
 あかりちゃんは一礼すると、歩いて行ってしまった。
 ふふっ。自分ではちょっと不安だったけど、いちごだけじゃなくてあかりちゃんも褒めてくれたし、このコーデで正解だったみたい。
 ……あれ、そっか。あかりちゃんも褒めてくれたのに、さっきみたいに熱くならなかった。なんで――

いちご「準備できたよ、あおい」
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:20:39.74 ID:AzX2k9iN0
 久しぶりに、実家の近くの商店街にやって来た。

いちご「なんだかすっごく久しぶりな気がするねえ」

 何処にいくかという話になって、結局近場で済ませることになった。休日とはいえもうこの時間からじゃあまり遠出も出来ないしね。明日はお仕事が入っているし。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:21:28.13 ID:AzX2k9iN0
あおい「もうこの店もすっかりお馴染みね」

 いちごの家の近所の喫茶店。
 歩き疲れた私たちは、音城セイラちゃんのお家に来ていた。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:22:23.93 ID:AzX2k9iN0
 なのに、なんだか今は、二人を見ているとモヤモヤする。
 輝きのエチュードを聞いている時のような、如何ともし難い感情。

『じゃあ貴方、それは嫉妬よ』

以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:25:26.52 ID:AzX2k9iN0
 私は思わず、セイラちゃんの家を飛び出してしまっていた。
 頭のなかで、皆の顔がぐるぐると回っている。
 ユリカちゃんのあの表情が、あかりちゃんのあの目が、セイラちゃんの姿が、いちごの笑顔が、いちごの心配そうな顔が、いちごのいちごのいちごのいちごのいちごのいちごのいちごのいちごのいちごの

 頭がぐちゃぐちゃで、もう何も考えたくなくて、私は我武者羅に走った。
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:26:11.32 ID:AzX2k9iN0
 いつの間に、ここまで来ていたのだろう。
 そう、確かにここは、私といちごが初めて出会い、初めて言葉を交わした場所だった。
 盆踊り大会の日、楽しそうに笑顔で踊る星宮いちごに出会ったんだ。

『一緒に踊ろう』
以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:26:55.76 ID:AzX2k9iN0
『さっきの踊り、すっごく上手だった。なんかあれ、アイドルみたいだったよ』

 あの言葉が、私に光のライン、あこがれのきらめくラインをくれた。それがチカラになって、私は頑張ってこられた。

 初めていちごと一緒に踊ったあの時、私は少しだけ怖かった。
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:28:04.89 ID:AzX2k9iN0
『一緒に踊ろう』

 あの言葉で私はアイドル星宮いちごに恋をした。
 皆を笑顔にするアイドルに。

以下略



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