28:名無しNIPPER[saga]
2015/02/20(金) 03:16:18.19 ID:YN4vLNeW0
しかし、みなもが再びうちに来たあの日。咲は確かに私のことについて軽く答えたみなもに突っかかってきた。
みなもが知るべきでない事実を明かしそうになった。だから私は、断腸の思いで咲を叩いた。そこまでは覚えている。
…では何故、私はみなもにまで矛先を向けたのか?
咲はともかく、みなもが私に手を出される道理はない。
そこでようやく、私は気付く。
みなもが、咲に突っかかったから。それを煩わしく思ったから。
つまり、姉としての感情と、もう一つの感情が同時に出た。
もう既に、母が言う病は咲だけでなく、私にもどっぷり浸かっているのだと。
いずれこれが続けば、確かに母の言うとおり。私たちは周囲の人間を傷つけてしまうかもしれない。
最悪の場合、私も咲も大好きなみなもですら巻き込んでしまうかもしれない。
いや、私も…咲でさえも…周囲に巻き込まれることで無事でいられるか分からない。
「!?」
不意に脳裏にみなもの車椅子が炎に包まれ、咲が物言わず幾多ものチューブを付けられ身動きしないビジョンが浮かんだ。
これが今で言う私の照魔境の発動の切っ掛けであったが、この時の私はそれを知る由もない。
そう。…私たちに、もう猶予はなかったのだ。
状況を理解した私に、選択肢はもう一つしかなかった。姉として。大好きな咲のためと考えて。
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