29:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:28:54.94 ID:N1fLZgZO0
「――失敗しただと!」
机を拳で叩いた男の名前はフクアカ・ウント。キョート市内に存在するトーチ・ボウエキ社のCEOであり、トレードに
ヒトミを誘拐させ、アヤメのイベントをニンジャクエストへと変貌させた黒幕である。
「お前ほどのニンジャがなぜ失敗をする! 分かっているのか! あの346プロダクションの裏にいる謎の人物を交渉の
場に引きずり出し、我々の権利を回復させなければ、このままだと倒産なんだぞ!」
傷を押して報告してきたトレードに気遣う言葉一つかけずに怒鳴り散らすフクアカ。それもそのはず。彼の
チート・ボウエキ社は表向きはたいまつやランプ、灯籠などの景観を彩る調度品の製造輸出会社でありながら、
裏では人身売買によって多額の利益を上げてきた暗黒メガコーポなのだ。
特に社長が彼の代になってからというもの表の家業の利益は右肩下がりとあって、裏の家業への依存率が
高くなっていた。そんな折、突如として346プロダクションと呼ばれる芸能プロダクションが彼らの裏の商売の
領域に割り込んできたかと思うとあっという間にシェアを奪われ、今やチート・ボウエキ社の社運は
ロウソク・ビフォア・ザ・ウィンドであった。
「忌々しきは346プロダクション! 後から来たくせに売買における規則を勝手に変更し、独占して……! 老舗の
芸能プロダクションだかなんだか知らないが、キョートじゃこっちが昔から幅を利かせていたんだぞ……!」
いい大人が人目も憚らず泣き喚く姿にトレードはため息をつく。先代のころから付き合いでこの会社に尽くしてきたが、
こんな重傷を追ってまでこの社長に本当についていくべきなのか。
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