過去ログ - 阿良々木暦「えりハーミット」
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15: ◆8HmEy52dzA[saga]
2015/02/25(水) 20:57:56.29 ID:DLa1I0Qh0

これは予想だけれど、きっと彼らにとってゲームの世界は現実と等価値に近い。

ただ単純に人生とゲームどちらが大切か、という比率が他人とは違うと言うだけであって、そこに他人が口を挟むべきじゃない。
わたしとサイネリアと尾崎さんがそれぞれ現実のアイドルとネットアイドルを秤にかけていたように、価値なんてものは人によってゴミ同然から大切なものにまで変わる。

生きている以上、人にはそれぞれ譲れない最後の一線というものが存在する。
それは全てのものと同意義であり、かつ等価値であり、文字通り死んでも譲れないもの。

そして、それはきっと、わたしにとっても。

そう、今のわたしには、文字通りその死んでも譲れないものがある。
どうしてもやり遂げないといけないことがある。
何度殺されたってそれだけは曲げちゃいけない。

かつて尾崎さんと一緒にアイドルの道を駆け登った時のように、ネトアでも現実で立派なアイドルになれると、証明したかったあの時のように。

愛ちゃんと涼さんに異変が起きた時、わたしは夢で宿借に出会った。
次に目覚めた時にはこのデスクとパソコンだけの空間。
最初は置かれた状況自体に戸惑ったが、試行錯誤を繰り返しやがて気付く。
これは、一日をあたかもアドベンチャーゲームに見立て、セーブとロードを可能とする力。

まるで漫画や小説。
何故わたしにいきなりこんな超能力みたいなものが身についたのかはわからないけれど、この状況下では丁度いい。
愛ちゃんと涼さんを、助けることが出来る。

けれどこれはゲームであってゲームじゃない。
コンティニュー回数は無限だけれど、わたしはレベルアップもしなければチートコードでステータスをいじることも出来ない。
限られた条件下でどれだけ最良の答えを出せるか、という詰将棋に近いもの。
影縫さんと斧乃木ちゃんに勝てる、もしくは逃げられるくらいにわたしが強くなれれば別だけれど、今までの経験から、それも望み薄。

ならば、『最善』を尽くそう。

何度繰り返したっていい。
どうせ残機は無限の世界だ。
ゲームで言うベストエンドが気の遠くなるような先にあるとしても、ひたすらに続けよう。

永遠とは、途切れないこと。
途切れないならば、必ずどこかに望みはある。
世の中悪いことばかりじゃない。
そう信じるしか、わたしには出来ないのだから。

かたん、かたん、

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かたん。



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