過去ログ - 阿良々木暦「えりハーミット」
1- 20
25: ◆8HmEy52dzA[saga]
2015/02/25(水) 21:13:26.69 ID:DLa1I0Qh0

「うぁ……うわぁぁぁぁぁん……」

最後に、総量を考えたら海が出来るんじゃないか、と言いたくなるような量の、涙。
この三つが鼎立するかのように、この世界は成り立っていたんだ。
脇目も振らずに泣き続ける。

「絵理ちゃん……」

涼さんが赤子をあやすように背中を叩いてくれた。

「宿借のお姉やん、感極まっとるとこ悪いんやけど、ええか」

「……?」

「最初の一回のセーブ、あるやろ? 一番初めの、今日」

「あ……はい」

「それをロードして、もう二度と使たらあかん。後はうちらが何とかするさかい」

「帰ろう、絵理ちゃん。いつもの毎日に」

「……うん」

この世界に未練がないかと問われれば、全くないとは言えない。

鏡合わせの、全く同じ永遠を映し続ける毎日。
それは何よりも温かく、何よりもおぞましい。
永劫にも近い時間をかけて、存在ごと少しずつ溶かされるような日々。
それはそれで一つの選択肢だったけれど、わたしは前に進まなきゃいけない。

わたしは、水谷絵理は、みんなに夢と希望を与えるアイドルだから。

大丈夫。
わたしには、一緒に歩いてくれる友達がいる。

デスクに座って、PCを操作する。

これが最後の今日。

今日が終われば、明日が来る。

明日こそは、今日という日を、後悔しないように。

かたん、かたん、

 save
→load
 config
 exit

→save1
 save2
 save3
 save4

かたん。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
40Res/50.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice