過去ログ - 阿良々木暦「えりハーミット」
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9: ◆8HmEy52dzA[saga]
2015/02/25(水) 20:48:02.56 ID:DLa1I0Qh0

「お邪魔します」

と、そんなわたしの理想の日常を阻むかのように、突然の来客があった。

年齢は、小学生くらいだろうか。
奇抜な衣装を着た、無表情な子。

「……斧乃木ちゃん?」

「……鬼いちゃん」

かたん、と打鍵の音が頭に響く。

「い、た……」

頭痛と共に思い出す。

ああ、『また来たのか』。

わたしは彼女を知っている。

彼女の名前は斧乃木余接。

恐らくは、人間じゃない、別の生き物。

「……そっか。鬼いちゃんも巻き込まれたんだ。相変わらずだね」

「なんでこんな所にいるんだ?」

「それとも悪足掻きかな……まあいいか、どっちでも」

やる事は変わらないよね、と呟く。
斧乃木ちゃんと阿良々木さんの様子を見る限り、どうやら知り合いのようだった。

「僕が用があるのは、そこのお姉ちゃん」

「え……水谷?」

阿良々木さんが言うが早いか、斧乃木ちゃんが私の目の前まで肉薄する。

「こんにちは、宿借のお姉ちゃん。僕のことは覚えているよね」

「…………うん」

「そう。『それじゃあ、さようなら』」

聞きたいことがあったのだが、その前に斧乃木ちゃんが前方に手をかざす。

「『例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』」

斧乃木ちゃんの指先が光ったかと思うと、次の瞬間、わたしの身体は貫かれていた。



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