過去ログ - 佐久間まゆ「ご結婚おめでとうございます、プロデューサーさん」
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9: ◆Freege5emM[saga]
2015/03/01(日) 23:16:20.88 ID:OA5hrQ14o
●08

『――プロデューサーの引き継ぎとかで、まゆさんも神経を使うでしょうが、
 時々は私に付き合ってくれると嬉しいです。ほら、私は寂しがり屋さんですからね』

まゆさんの聞くに堪えない独り言を流した後、
私は情けない捨て台詞とともにテーブルの伝票を握って、席を立ちました。



『お、泰葉。武内くんのこと気にしてたようだけど』
『……久しぶりに、まゆさんとお茶飲んできたんですよ』

私が事務所に戻ってくると、私のプロデューサーさんが声をかけてきました。

『へぇ、どうだった? 顔色を見るに、何もしないよりはマシだった、って具合か。うーん。
 初めて先方に営業かけたのならまだしも、馴染みの相手でその有様じゃイマイチだな』

勝手なことをベラベラ喋って……と私が眉をひそめると、
プロデューサーさんは黙って私の前に手のひらを突き出してきました。

『何ですか、その手は』
『領収書、出して』
『領収書ですか?』
『何だ、切ってないのか』

プロデューサーさんは、拍子抜けした顔で手を引っ込めました。

『どうせ、俺や武内くんをダシに使って佐久間ちゃんに会いに行ったんだろう?
 それなら、社外打ち合わせ扱いで領収書を切ってもらえば格好もついたのに。
 俺もあっちの様子は気になるし、お茶代ぐらい会議費で落としてやるつもりだったんだが』



ああ、そうでした。
私の思惑は、あの状態のまゆさんに筒抜けだったのだから、
プロデューサーさんに見抜かれていても、おかしくありません。

私も、他人のことを言えない有様だったようです。


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