過去ログ - 【W】翔太郎「車のライダーだと?」フィリップ「ゾクゾクするねぇ」【ドライブ】
1- 20
31: ◆r0ftaGgSPOUQ[sagesage]
2015/03/07(土) 22:19:17.40 ID:zm0bmIIhO
照井「ここが現場になります」

霧子「随分奥まった通りになるんですね」

照井刑事に連れられてやってきたのは、人通りの少ない路地裏だった。激しい戦闘でも行われたのだろうか、壁の所々に弾丸の跡や動物のような引っ掻き傷が残っている。

剛「てか、こんなとこによくどんよりの被害者がいたもんだねぇ」

照井「その目撃者は俺の信頼する風都の探偵でな。俺の相棒……はあいつにはもういるから違うかもしれんが、何度も捜査に加わってもらってるんだ」

照井刑事の剛への声色から、重加速の報告はイタズラ等ではなく、確かな情報だったということが分かる。その人のことを深く信頼しているような声色……何故か私の脳裏に泊さんの姿が浮かんだ。

ダメダメ、仕事に集中しないと。

照井「ところで、その、詩島巡査……」

霧子「はい?」

ふと、照井刑事が私を恐る恐る伺うように横目で見てきた。

照井「その、頭と背中にしょってる変な装置は一体」

霧子「あぁ、これですか。これは重加速の痕跡を発見する装置です。こう見えて凄いんですよ、照井さんもどうです?」

照井「あぁ、いや、俺は遠慮しておこう」

剛「姉ちゃん仕事には真面目に取り組んでるんで、まぁお気持ちは痛いほど分かりますけど。笑わないでやってください」

剛まで気の毒そうな声で何を言い出すんだろう、みんなこれ付けたらいいのに……。

照井「ん、姉ちゃん……ということはお2人はまさか?」

霧子「あぁ、言ってませんでしたね。剛は私の弟なんです」

照井「そうか……」

弟、という言葉に照井刑事は暫し黙り込む。えっ、まさか剛が私の部下という嘘がバレた……? やばい、確かに姉弟で同じ課なんて怪しまれるよなぁ。

照井「剛……といったな」

剛「なになに?」

照井「いや、姉弟というのはいいものだなと思ってな。姉さんをしっかり守ってやるといい」

剛「任せてよ! 地の果てだって助けにいくよ、姉ちゃん?」

霧子「あなたの助けはいらないです」

剛「そんなぁ」

そんな私達の一連のやり取りを、照井刑事はただ黙って見つめていた。何故だろう、その瞳には一瞬だけ悲しみがよぎったと感じた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
99Res/92.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice