過去ログ - 【R-18】雪風「しれぇの前でおもらししてしまいました」
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24: ◆47gaNFJlIw[saga]
2015/03/06(金) 00:17:53.41 ID:FQujOMSOo
「……」

顔上げて見えた司令官の顔は、呆気に取られている様子だった。
いきなりあなたに欲情していますなんて言われたのだから無理もないことだ。

(この表情、はじめて見た)

何度も目を瞬かせる司令官を雪風は可愛いと思った。
こんな顔をして驚くのかとまた新たな司令官の表情を知れてうれしいという感情が沸き上がる。

「……そう、私に興奮してくれてたんだ」

「えっ?」

「よかった。私だけかと思ってた」

茫然としていた司令官が我に返って告げた言葉に、今度は雪風が目を瞬かせた。

「えっ、しれぇも、なんですか?」

「当たり前でしょう。あなたのこと愛してるって言ったじゃない」

当然だと毎度のぶっきらぼうで言う司令官。
だがその頬が紅潮しているのはシャワーを浴びたせいではないだろう。

「少し不安だった。自分だけだったらどうしようって」

「しれぇ?」

「あなたはまだ子供だし何より女だから、私にそういう感情を抱いてくれるのか不安だったの」

次いで放たれた司令官の言葉には確かな感情が乗っていた。
不安とそれが払拭された安堵。

(しれぇも悩んでいたんですね)

雪風を愛しているとなんの衒いもなく司令官は言ってみせた。
胸を張ったその姿があまりにも堂々としていて、迷いも恐れもないのだと雪風は思い込んでいた。

(そんなわけない。しれぇは人間なんだから)

かつて雪風が抱いた懸念――同性に懸想するなどあり得ないという感情は、確かに司令官の中にも合ったのだ。
悩まないはずがない。雪風のような同性の幼子に懸想することは世間一般から見れば『異常』なのだから。
それに青年の愛と幼児の愛ではその意味合いが異なってくる。
司令官は雪風の言う愛が自分の愛と同じものであるのかという不安も抱えていたのだろう。

上官と部下という点で見ても二人の関係は不適切なものだと言えよう。
司令官はときには雪風に死ねと命じなければいけない立場なのだ。

そんなふうに司令官には、女として、大人として、軍人として、様々な立場としての不安があった。
『異常』の誹りを受けることになろうとも。愛する人に死ねと命じることになろうとも。
それでも何もかもを飲みこんで雪風を愛していると言ったのだ。


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