38: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/24(火) 13:32:10.61 ID:m0u5what0
帰ってきたゆきとお土産を山分けして、プレゼン内容を確認し合った。
それから夕方までは、練習と質疑や応答のための資料作成にあたった。
「スフレ美味しいです……」
39: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/24(火) 18:19:02.76 ID:m0u5what0
「だから、こう、力を入れてごまかしてるんです! それって、か」
続けざまに言おうとした言葉をさえぎって、
私は残ったスフレをゆきの口に突っ込んだ。
イメージとかあるし。
40: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/24(火) 18:52:01.85 ID:m0u5what0
その後、会議は休憩を1度挟み、きっかり2時間で終わった。
録音していた会議の内容を3倍速で改めて聞いて、間違った内容を言っていないか確認し、課長に報告し、
夜、斎藤さんと一緒に湯の街へ向かったのだった。
目の前の斎藤さんが足湯に浸かりつつ、思い出し笑いをし始めたり、
41: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/24(火) 19:15:42.60 ID:m0u5what0
一日に一便しかない帰りの船で、私は懐かしい人物に再会した。
最後に会ったのは、二年程前だ。
その歳月は、若者にとっては成長の二年だが、老人にとっては老いの二年だった。
「おばあ!」
42: ◆/BueNLs5lw[saga sage]
2015/03/24(火) 19:28:26.18 ID:m0u5what0
ミス「かやちゃんが、お世話になってます」
→「ちーちゃんが――」
43: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/24(火) 19:51:54.52 ID:m0u5what0
ゆきは小刻みに頭を上下に振った。
「おばあ、かやは?」
「おらんよ」
44: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/24(火) 20:14:28.98 ID:m0u5what0
まさかこんな形で、おばあと再会することになるとは。
まるで家出少女を見ているような気分だった。
昔の私を見ているような。
状況が全然違うけれど。
45: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/24(火) 20:51:15.39 ID:m0u5what0
その日は、おばあをマンションに残して少し遅めに出社した。
夕方までには帰ってくる。それから一緒にお墓参りに行く、という約束をした。
久しぶりに食べるおばあの朝ごはんは、野菜がふんだんに使われていた。
量も多く、一人では食べきれなかったのでお昼の弁当ももたされた。
46: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/24(火) 21:37:48.64 ID:m0u5what0
「ああ、帰ってからで大丈夫。先に長崎に行こう。日が暮れちゃうし」
「お腹空いてないのかい?」
「まだ大丈夫だから」
47: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/24(火) 21:47:40.63 ID:m0u5what0
「ちーちゃん」
肩を揺すぶられる。
ぼんやりと声が聞こえた。
48: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/24(火) 22:21:14.68 ID:m0u5what0
「ちーちゃん、メール来たかい?」
「いや」
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