1:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:23:05.41 ID:uOG/oP9Z0
<読む前に>  
  *独自設定の塊です。  
  *Ep:1〜4までの4部構成となっていますが、短編です。  
    
  おつきあいいただければ幸いです。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:23:36.75 ID:uOG/oP9Z0
 <Ep1:Epilogue> 
  
 21世紀、人々は戦争とは無関係な日々を過ごしていた。 
 戦争経験世代は生きている者も少なくなり、戦争の恐ろしさを伝える者も、減る一方だった。 
  
3:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:24:28.00 ID:uOG/oP9Z0
 どこで生まれるかも分かっていない。 
 なぜ、人類を標的とするのかも、分かっていない。 
 知能、運動能力の高さも、やつらの文明の高さも不明。 
  
 全てが謎の生き物だった。 
4:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:25:20.26 ID:uOG/oP9Z0
 そもそも、人類が、人類以外と戦争すること自体が、前代見門だった。 
  
 目には目を。歯には歯を。 
  
 政府は、対深海凄艦の軍隊を編成することを決めた。 
5:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:26:39.87 ID:uOG/oP9Z0
 艦むすは数週間で、目標の姿にまで成長をする。 
 日本語を操り、感情を持ち、知性を持ち、相当の運動能力を持つ。 
  
 そして艦むすに小型の艤装を取り付ければ、対深海凄艦の『武器』となる。 
  
6:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:27:09.47 ID:uOG/oP9Z0
 <Ep2:着任> 
  
 私は、艦むすを指導する提督として、今日からこの鎮守府に着任する。 
  
 深海凄艦との戦争を、艦むすで行う初めての世代であり、情けなくも、緊張してしまう。 
7:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:27:46.54 ID:uOG/oP9Z0
 *** 
  
 話では、この提督室に、艦むすが全員集まっているらしい。 
 中から何も聞こえない。 
  
8:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:28:35.53 ID:uOG/oP9Z0
 提督「……君が、艦むすかい?」 
  
 電「は、はい! 暁型駆逐艦第四番艦電(イナヅマ)です! 司令官さん、今日からお世話になります。」 
  
 彼女は脇をしめて手を額に当て、その後、最敬礼する。 
9:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:29:12.60 ID:uOG/oP9Z0
 提督「……建造と任務娘さんに関しては聞いていた」 
  
 電「! 申し訳ありません!」 
  
 電は深々と頭を下げる。私は彼女の頭に手を置き、話しかける。 
10:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:29:40.21 ID:uOG/oP9Z0
 電「いや! ……司令官さんが頭を撫でてくれたの、嬉しいです。ありがとうございます」 
  
 電は満面の笑みで、私を見上げてきた。 
 私はどきりとした。 
  
11:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:30:07.09 ID:uOG/oP9Z0
 提督「……君は、どこに行くんだ?」 
  
 電「え、えと、提督室ですが……」 
  
 提督「……なぜ?」 
12:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:30:41.05 ID:uOG/oP9Z0
 私は提督室に入る。あるのはパソコン二台のみ。人の気配もない 
  
 とりあえず机に座ると、パソコンの画面に、女性が映っている。急のことに、驚く。 
  
 任務娘「初めまして、提督。提督の任務をサポートさせていただきます。よろしくお願いします」 
13:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:31:13.01 ID:uOG/oP9Z0
 *** 
  
 提督「じゃあ、まずは建造をしようか。」 
  
 電「なのです!」 
14:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:31:51.55 ID:uOG/oP9Z0
 私はとりあえず、最小のオール30での建造依頼を出す。 
 建造まで、20分。 
 この時間は、本部にて艤装を作るのにかかる時間らしく、艦むすが来るのは、その数時間後らしい。 
 ふと横を見ると、電が嬉しそうな顔をしている。 
  
15:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:32:24.47 ID:uOG/oP9Z0
 *** 
  
 任務さんを頼りに、報告書を書いたり、鎮守府を見学したりしていると、新しい艦むすが、『2人』やってきた。 
  
 吹雪「特型I型駆逐艦一番艦の吹雪と申します。今後っ……」 
16:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:32:53.72 ID:uOG/oP9Z0
 綾波「あっ、えーと、特型II型駆逐艦1番艦の綾波ともうします。よろしくお願いします」 
  
 二人とも外見は、電よりも背が高く、もう少し年を取った感じで、真面目そうな娘だ。 
  
 提督「私が提督だ。電、この二人に鎮守府を案内しなさい」 
17:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:33:40.32 ID:uOG/oP9Z0
 ああいう娘たちも、深海凄艦と戦うことになるのか……そう思うと、なんだかやるせない気持ちになる。 
 しかし、やって来た艦むすが皆、真面目そうで良かった。まあ、問題児みたいなのはいないとは思うのだが。 
 ただ、一つ気になる事がある。 
  
 あの娘たちは、ここに来る前は何をしていたのだろうか…… 
18:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:34:14.54 ID:uOG/oP9Z0
 <IN 艦むす養成施設>  
  
 講師「今日の授業はここまでだ。前にも言ったが、テストは全て抜き打ちだ。勉強を欠かさないでほしい。鎮守府に入ったら、座学はない。この時期にしっかりと勉強しなさい。では、また来週」 
  
 艦むす達「ありがとうございました!」 
19:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:34:43.42 ID:uOG/oP9Z0
 ……私はこの施設で、艦むす達の講師をやっている。さっきの授業は化学。浸透圧とか希薄溶液とかの高度な理論の話はほとんどせず、無機の話ばかりをしている。もちろん、高校化学のレベルだ。 
  
 最初に、この施設への赴任が決まったときは、不安で寝不足になっていた。 
 最新のクローン技術で作られた、戦うためのヒト形生物への教育。 
 不安にならないわけがない。 
20:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:35:17.88 ID:uOG/oP9Z0
 意志を持ち、感情を持ち。食事をし、排便をし。友情を築き、信頼し、時に喧嘩し。 
 普通の人間と何一つ変わらないのだ。 
  
 私はかつて、誰も会話をしようとしないために静まりかえり、毎日どこかしらで喧嘩が起こり、警備の銃声が飛び交う。そんな環境を想定していたものだ。 
  
21:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:36:01.92 ID:uOG/oP9Z0
 *** 
  
 ?「そうか、温かそうな鎮守府で安心したよ。ありがとう、電」 
  
 電「はい、司令官さんはとても優しいのです。電がいつもどおりの自己紹介をしたら、『そんなに堅くしなくて言い』なんていってくれたのです」 
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