26: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:38:21.37 ID:Ji5E8QnL0
それにふざけている。対価は一切いただかないだって…?
それってつまり…。
『その代わり、お客様の命をもってお支払いいただきます』
27: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:38:50.82 ID:Ji5E8QnL0
兄「それもそうか…」
男「ど、どうすんだよ…!?今からどこへ行こうっていうの!?」
父「俺と母さんは生きている一般人を助ける。…あとはチャンスがあればこの狂ったアトラクションの元凶を倒す」
28: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:39:18.40 ID:Ji5E8QnL0
兄「つまり動いて鉢合わせちまった方が危険だ。爆弾もいつ爆発するかわかんないんだし…」
父「そうだ。動いている人間に対して起動するセンサー爆弾だったら動くのは危険だ」
男は何も言えない。
29: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:39:46.16 ID:Ji5E8QnL0
兄「余計なことに巻き込みたくなかったんだよ…」
ところどころで爆発音が続く。
兄「能力者は、能力だけしか取柄がないってわけじゃないのはわかるよな?」
30: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:40:16.97 ID:Ji5E8QnL0
母「泣かないの…。みんなで生きて帰るんだから…あきらめちゃダメ…」
父「そうだいついかなる時もあきらめるなよ」
兄「大丈夫だ。守ってやるから…」
31: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:40:45.15 ID:Ji5E8QnL0
男は二人の背中を涙を流しながら見送ることしかできなかった。
妹「嫌っ!!嫌っ!!行かないでっ!!」
急に妹は実感が沸いてきたのか、ヒステリックに叫び始める。
32: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:41:13.30 ID:Ji5E8QnL0
無駄口をたたきながら進むということはまだ心に余裕があるということか…。
しかし、そこらじゅうに焼け焦げた死体が転がっていて、確実に精神をむしばんでいる。
曲がり角を曲がるときは細心の注意を払って丁字、または十字路に飛び出す。
33: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:41:45.19 ID:Ji5E8QnL0
父「今助ける」
ぐっと力を込めて瓦礫を持ち上げる。
ゆうに300キロはあるように見えるが、それを放り投げる。
34: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:42:13.52 ID:Ji5E8QnL0
とにかく着ている衣服を破き両足の出血を止めようと試みる。
父はもう手遅れだと悟っていた。
母は、託された娘の人工呼吸と心臓マッサージを行いながら、彼女の能力である自然治癒の強化を行う。
35: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:42:47.03 ID:Ji5E8QnL0
二人の遺体を寄り添うように隅の方に安置する。
父「まだ生きてる人がいるかもしれない…」
この絶望の中のわずかな希望を探りつつ、父は立ち上がる。
36: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:43:13.50 ID:Ji5E8QnL0
「骨のねえやつらだな…。死んじゃえ」
消し飛ばす。
大爆発の跡、降ってくるのはバラバラのパーツと血飛沫。
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