49: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:53:27.40 ID:Ji5E8QnL0
男はさっきの兄と爆弾魔の会話で理解する。
母さんも父さんも死んだ。
その事実を受け入れられないまま男は、妹友と来た道を戻る。
50: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:54:08.46 ID:Ji5E8QnL0
熱いと感じる前に、宙を舞う体。
痛いと思う間もなく抜け落ちていく感覚。
爆弾魔「はぁ…はぁ…終わりか…?」
51: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:54:35.53 ID:Ji5E8QnL0
爆弾魔「安心しろ。全員同じ死体にしてやるからよぉ……ひひっ…ひひひ!」
上空には数機のヘリコプターがようやく到着したようだ。
×××
52: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:55:16.12 ID:Ji5E8QnL0
受け入れたくはない現実というものが彼の中でせめぎ合い、胸からお腹のあたりが絞られるような感覚。
妹「どこかに隠れよう?もう助けてくれる人も来たみたい…」
意識していなかったのは確かだが、それを聞かされて初めて男の耳にヘリの騒音が入ってくる。
53: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:56:21.70 ID:Ji5E8QnL0
爆弾魔「お、逃げるのか…いいね、もっと楽しませてくれよ。ああ、殺した時の表情が愉しみでしょうがねえ…」
男と妹は肩を並べて走り出す。
このとき男は逃げるのに必死である変化に気づいていなかった。
54: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:56:56.87 ID:Ji5E8QnL0
男は軽く数十メートルは吹き飛ばされる。
とんでもない圧迫感が男の胸を押さえつけるが、それは一緒に吹き飛ばされた妹だった。
奇跡的に、男は片耳と肋骨、あばら、計数か所の骨折で済んだ。いや、済んだといっても大怪我には変わりない。
55: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:57:42.52 ID:Ji5E8QnL0
爆弾魔「あー、仕掛けたやつで死んじゃったの?直接、殺りたかったんだけどなぁ…」
遠くの方で何やらぶつぶつ聞こえるが何も入ってこない。
男はこの時、人の死を間近で見て初めて家族は全員死んだと実感した。
56: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:58:10.66 ID:Ji5E8QnL0
距離は軽く20メートルは離れている。
ゆっくりと、それまでの瞬間を愉しむように近づいてくる爆弾魔。
突如、上空から聞こえてくる風切り音に彼は足を止めた。
57: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:58:40.59 ID:Ji5E8QnL0
隊員1「隊長、ターゲットを確認、照合、A級犯罪者と特定」
隊長「ご苦労。これより、当目標をA級から特A級の能力犯罪者に指定。生死を問わず戦闘能力の無力化を実行する」
隊員1「了解。…全部隊へ通達する」
58: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:59:49.95 ID:Ji5E8QnL0
隊長「悪いが楽しむ時間はない」
隊員1「………分析完了。体内のエネルギーを圧縮し、爆発的に体外へ放つことで、文字通りの爆発を起こせるようです。極めて危険な能力と判断します」
隊長「ご苦労。隊員3は俺の能力をサポートしろ」
59: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 17:00:40.29 ID:Ji5E8QnL0
一方で男はなおも苦しんでいた。
熱は増していくのに対し、頭の冷静さが気持ち悪い。
そして妹をこんな姿にしたやつが憎くてたまらない。
60: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 17:01:20.47 ID:Ji5E8QnL0
爆発で壊そうにも、一瞬判断が遅れ、大きめの破片が直撃する。
呻く爆弾魔。
その目線の先に捉えたのは、憎しみのこもった目で睨んでくる男だ。
61: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 17:02:15.59 ID:Ji5E8QnL0
隊員2「その子を離せ!」
硝煙に紛れて隊員2がナイフで切り付けるが、そちらを見ずに爆弾魔はさらに爆発を起こす。
男のことはこれ以上傷つけないようにしたのは、新たに芽生えた知的好奇心からか…。
62: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 17:02:57.75 ID:Ji5E8QnL0
爆弾魔「よお、お前どうしてそんなんなってんだ?」
男「知るか…」
爆弾魔「答えたくねえんなら死ぬだけだ。後でそっちのガキも送ってやるから安心しろ。一人じゃねえ…」
63: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 17:03:25.89 ID:Ji5E8QnL0
痛みでどうしても叫び声が出てしまうのだが、突然、爆弾魔の方も叫び始める。
爆弾魔「ぐっ…ぎゃああああぁぁぁ!!」
隊員1「隊長、チャンスでは!?」
64: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 17:04:06.15 ID:Ji5E8QnL0
隊員2「あれほどの治癒能力…。今まで見たこともありません…」
隊長「ああ、私もだ。それに…」
と区切って見つめる。
65: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 17:04:32.20 ID:Ji5E8QnL0
隊長「彼らを優先して保護しろ。全小隊に連絡、当目標は対象の死亡をもって達成された、全部隊は引き続き生存者の捜索を行え」
隊員1「了解。………全部隊に通達、全部隊からの了解を確認しました」
隊長「ご苦労、我々も救命にあたる」
66: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 17:06:22.10 ID:Ji5E8QnL0
その2終了しました。
書き溜めはゼロなので、期間空きます。
その3でまたお会いしましょう。
ご意見やご感想、ご質問等々、あれば仰ってください。
67:名無しNIPPER[sage]
2015/03/13(金) 17:34:45.16 ID:ll8YzxBC0
参考程度に
ex14.vip2ch.com
68: ◆lcKKZiGDsY[saga sage]
2015/03/13(金) 18:12:26.75 ID:Ji5E8QnL0
>>67
どうもありがとうございます。
第一章なんかもろ当てはまってますね。
もう余計なことは書かないようにします。
69:名無しNIPPER[sage]
2015/03/15(日) 09:25:40.43 ID:z/8viUL1o
おつでー
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