過去ログ - 「猫は劇団に入りたかった」
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 20:14:33.01 ID:/eElTH0b0
「いつかあの舞台に立ってライトに照らされて、皆が目を奪われるような演技をするのが夢なんだ」

「ああそうかい。この飲んだくれの老いぼれ一人満足させらんねぇようじゃ、先は長いのう」

「余計なお世話さ」


そこは打ち捨てられた廃墟だった。

存在するのは何千では足りないほどのゴミの山と、同じように打ち捨てられた猫と老人。


老人はいつもどこからか酒をくすねてきては、最後の一滴まで飲み干して、無くなったら次のを探しに町へ降りていく。

猫は雑巾みたいに薄汚れた身体をすっくと立たせて、破れた絵本を見ながらお芝居の稽古。


「爺さんいい加減お酒やめなよ……」

「ほれ、さっさと今日の訓練せんか。継続は力なりじゃぞ」



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