10: ◆Freege5emM[saga]
2015/03/10(火) 23:39:15.55 ID:NvNrK1sjo
  
 ●09 
  
 「プロデューサーさん……それ、随分苦しそうですね」 
  
 音葉は、直前まで自分が咥えていたペニスを見ながら、白々しい台詞を吐いた。 
  
 「忙しくなって、私と仕事以外で会えなくて、寂しかったんですか?」 
  
 音葉は、俺とセックスするときは主導権を握りたがる。その理由は……なんだろう。 
  
 普段アイドル活動で俺に主導権を譲っているから、プライベートでは自分がリードしたくなるのか。 
 それとも例の“音が見える”感覚で、俺の反応が手に取るように分かるという自信のせいか。 
  
  
  
 「そうだ。あれつけてあげます……プロデューサーさん、鞄のここに入れてますよね。 
  ……あ、数がそのまま……もしかして、前の私の休みから、ずっと……? ふふ……」 
  
 今も、音葉は勝手に俺の鞄を開けてコンドームを取り出している。完全に音葉のペースだ。 
 確かに俺も、さんざ焦らされて入れたいという気分にはなってはいるが……。 
  
 「これ着けると……本当に気持ちよくなるためだけにシてる、って実感させられますよね」 
  
 いつもマイクを握っている音葉の手で、フェラの熱冷めやらぬペニスにゴムが被せられる。 
 そんな動作をよどみなくやってのける音葉に、思わず苦笑してしまう。 
 手つきがアイドルらしくなさ過ぎておかしかった。 
 音葉がそれに慣れたのは俺のせいだが、棚上げした。 
  
  
  
 「こんな格好……服を着ていたって、誰にも見せないのに……貴方は、特別ですから、ね?」 
  
 音葉はベッドに身体を横たえて、俺が入れるべき場所を見やすいよう脚を広げていた。 
 女性にしては長身で、すらりと伸ばされた音葉の脚から目線を上げると、 
 シーツまで滴を垂らしてしまいそうな陰唇が目に入る。 
 結局、一度も直接触れられないまま、ここまで濡れたのか。 
  
 「私が、お口で意地悪しちゃいましたから……入れたいですよね、ここに。 
  ……いいですよ、プロデューサーさんが、そうしたいなら、私は……」 
  
 明らかに自分が入れてもらいたそうな顔してるのに、音葉はこんな台詞をしれっと吐く。 
 だいたいその前の“寂しかったんですか?”なんてのも、面白い言い草だ。 
 この家の敷居を跨ぐ前は、音葉こそ寂しそうな顔していたくせに。 
  
 「でも……あまり激しくして、声を出させないでくださいね……デリケートなんですから」 
  
 音葉が“させてあげる”という態度なのが引っかかったが、 
 彼女とくんずほぐれつを続けて、俺は考えるのが億劫になっていた。 
 ただ目の前に許された極上の女体を貪ってやる――そんな蛮行に意識が傾く。 
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