11: ◆Freege5emM[saga]
2015/03/10(火) 23:39:44.89 ID:NvNrK1sjo
  
 ●10 
  
 「……あっ――わた、しっ……ん、あぁあんっ、ナカ、にっ……」 
  
 雌の熱と締め付けの中に、俺は正面からペニスを沈めていく。 
 正直な膣内の粘膜が、さわさわと俺を奥へ誘う。 
 焼き切れそうな衝動が意識に割り込んで、早くこの下に敷いた女に自分を叩きつけたくなる。 
  
 「プロデューサー、さんっ、私……こんな、色の、声、でっ……!」 
  
 切れ切れで、吐息の中に溶けそうな音葉の嬌声は、どんな色で映っているんだろう。 
 男を駆り立てる深紅か。それに淫猥さを重ねたマゼンタか。 
  
 何の根拠もないただの気分なんだが、音葉が見ている音色が、 
 一呼吸ごとに俺の網膜へべしゃりと塗りたくられる。 
 肌と肌がぶつかると、濁ったベージュの飛び散る音がする。 
  
 「あ……ふ、あっ、あぁうっ……声、出ちゃう……っ!」 
  
 焦らしに焦らされたペニスで、暴発しないよう音葉の膣内をそろそろ忍び歩きすると、 
 悩ましげな灰白色の声が、音葉のくちびるから溢れる。 
 また奥へと進めば、中の粘膜がゴムを物ともしない勢いで靡(なび)いてくる。 
 その感覚が伝わったか、音葉は足を突っ張らせて、シーツを引っかく音が転がる。 
  
  
  
 上体を倒す。音葉の表情がぐっと近くなる。ペニスはもう一歩奥まで音葉をえぐる。 
 下から見上げてくる潤んだ瞳に、ごそごそと蠢く俺の動きがちらついた。 
  
 ここまで来たら、もう声音も息遣いも筒抜けになってしまえ。 
 この俺の度し難い響きを音葉に叩きつけてしまおう。 
  
 「あっ……だ、ダメっ、です……それ、そんな、急に――あっ」 
  
 俺は音葉に覆いかぶさったまま、腰を小刻みにずらす。 
 侵入者の狼藉を、音葉の中は不規則な締め付けでたしなめる。 
 それは間違いなく逆効果だった。 
  
 「んぁあっ……そ、その色……お、おねがい、ま――待って、あっ、もっと、私、はっ……!」 
  
 限界は、思ったよりずっと早く来た。 
 ああ、音葉と会えなくて寂しがっていたのは、俺も同じだった。 
 そんな時に、さんざん音葉のくちびるで可愛いことをされていたから、 
 俺のペニスは張り切ってしまって、意識から独断専行する。 
  
 「あっ、ダメっ、プロデューサー、さんっ、もう少しで、いいから、だから……あっ、ああっ!」 
  
 音葉の中も俺に付き従って、粘膜をきゅうきゅうと悶えてさせたり、 
 いじらしく涎の水音を目立たせたりしたが、俺の方が先に一区切りついてしまいそうだ。 
  
 「あっ、あ、くぁあっ、んっ、ふぅああっ……!」 
  
 呂律が回らなくなった音葉は、手と足とを俺に巻きつけて、 
 短くパチパチときらめく嬌声を紙吹雪のように振りまいたかと思うと、 
 俺も身体全体を絡め取られた錯覚に陥って、そのまま抵抗破れ射精を迎えた。 
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