過去ログ - 新戸緋沙子「私は、お前のことが好きだ。幸平創真」
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名無しNIPPER
2015/03/15(日) 17:32:52.05 ID:0RDY0QGc0
ドクンッドクンッと心臓の音がうるさい。
……認めろというのか。
この気持ちを、この胸の鼓動を。
ドクンッドクンッドクンッと今までで一番早く血液が流れる。
私は、私はこいつのことを……。
「ん?どうした新戸?」
私は……私は……?
「…………ゆ」
「緋沙子ー?ここにい……え?」
幸平創真とは別の声が耳に入り、思考が完全に止まった。
心臓がまた違う意味で跳ね上がる。
「ん?薙切?」
「え?え、えりな……様?」
「ひ、ひ、ひ、緋沙子……?と、幸平……くん?」
サーっとえりな様の顔の血が引いていくのが分かった。
「な、な、な、」
声にならない声で、私たちの方を指差す。大体言いたいことは分かる。
「ん?おい新戸、薙切の奴どうしたんだ?」
「お前は黙っていてくれ、幸平創真」
「ん?おい」
正直今の私も一杯一杯だったが、どうにかここでえりな様の爆発を防がなければならない。
恐らく生きていた中で、今が一番早く頭が回転している気がした。
「えりな様」
「ん、うん?」
「幸平創真とこうしているのは、調理について彼から教わっていたからです。えりな様の隣に立つためには、選抜2位の彼の実力をより知ることが必要と思ったのです。驚かせてしまって申し訳ありません」
「いや、まぁ俺も新戸から色々教えて貰ってたけどな」
「お前は黙ってくれと言ったろう!」
しかしえりな様は余程の衝撃だったのか、少々頭がショートした感じだった。
「え?あ?うん?そうなの?あ、そうなのね?なんだー、緋沙子はほんと勤勉ねー。だったら私に言ってくれれば何でも教えてあげるのに。あはは……」
壊れかけのえりな様の腕を引き、少し待ってろと幸平創真に言い、一旦調理室を離れる。
とりあえずえりな様を人目につかない内に元に戻さなければ。
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