過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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◆JzBFpWM762
[saga]
2015/12/08(火) 13:57:38.50 ID:36P3Vv2Ko
「お疲れさま。ごめんね、ゴショーバンになったうえに片づけもさせちゃって」
歩いてきて、ネリーとちょうど真向いの椅子に座る。ダイニングテーブルを挟みソファと平行に置かれた椅子だ。
「気にしないで。それより、難しい言葉しってるんだね」
「勉強したの!」
茶目っ気をきかせてえへんと胸を張るネリー。その意欲に咲の胸に感心の念が浮かんだ。そんな気持ちを表情に浮かべながら話す。
「臨海の留学生の人たちってみんな日本語上手だよね……」
「んー、基準あるのかな?」
あくまで学校の学習範囲程度にしか英語をしらない咲のような日本人からすれば、とても助かることだ。咲などは、外国人を前にすると何語を話す人なんだろう、日本語で大丈夫だろうかと慌てたり身構えたりしてしまうので、思わずほっとしてしまう。
咲は何気ないやりとりから少し様子をみて、相手が手紙――おそらく本題――について話し出す様子がないのを感じとると、
「そういえば今日は――」
留学生の繋がりで、今日麻雀部であった出来事のうち留学生に関係することを話す。
少しぎこちないやりとりが続いていた明華との間に読書という共通の趣味を見つけたこと、ラーメンをつくろうとしたらポットにお湯がなくてしょんぼりしていたダヴァンのこと、他の留学生たちの割と奔放な気風にハオがたじたじしていること。
麻雀部以外でのことは、あまり話さない。教室のほうで特筆することがないでもなかったが、たいていは通じにくい話になってしまうし、そもそも一般生徒側の話題に彼女はあまり興味がないようだと咲は感じていたから。気を遣ってくれているのかちゃんと聞いて相づちを打ってくれるのだが、そのあたりの機微を察するのは得意だった。
普通の会話。たわいないやりとり。頻繁に話す機会を持つと内容自体はとくに変わり映えするものでもなかったが、彼女との会話に咲はどこか新鮮味を感じていた。
中学では部に関する事務的なやりとりを除き私語を交わす相手など『クラスメイト』くらいしかいなかった。その彼女にしても、やりとりする際は重い雰囲気がどこかでちらついて、ときに、窒息してしまいそうな息苦しさを覚えることがあった。そういう意味で気負うところのほとんどない彼女との会話は気が楽だったが……。
――ひどい話。クラスメイトちゃんは機を見つけては積極的に声をかけてきてくれるのに。話もろくに聞かないで、うやむやにして、その場から逃げるみたいに、ううん逃げて立ち去って……。
咲は顔色ひとつ変えずに心中で呟いた。
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