過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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844: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/08(火) 13:59:51.09 ID:36P3Vv2Ko
「へえ、読書?」

麻雀部での話題で、ネリーが関心を示したのは明華との事だった。

「たしかにもの静かなとことか読書してそうな……んー、ネリーもやってみようかな?」

「読書のこと?」

「うん。日本語の勉強にもなるし」

日本語の勉強。ふと気になって質問を重ねる。

「もう今でも上手だと思うけど、何か上達させたい理由があるの?」

「あー、えっとね、実はそれが今日きた理由なんだ」

ネリーはそう言って、持参した小ぶりのバッグから封筒を取り出す。

「それって……」

「うん。手紙なんだけど」

それは、日本でよく見かける薄みががった茶色の封筒だ。ネリーは手にしたそれの口に指を差し込むと、中からエアメール用の封筒を半ばまで取り出して咲に示す。

「手紙を書きたくて。ただ、話すのと違って書くのってむずかしいじゃない?」

たしかに漢字などはまた別の難しさがあるし、あるいは手紙の作法も日本のものに則るなら難関かもしれない。咲にもなんとなく言わんとしている事は分かった。

「日本語で手紙を?」

「サカルトヴェロの言葉と、それを日本語にしたやつ、合わせて二枚送ろうかなって」

エアメール、サカルトヴェロの言葉。故郷に宛てる手紙だろうか。けれど、もしそうなら日本語で書く意味はなんだろう。その理由が咲にはわからなかった。

「ええと、ネリーちゃんの国の言葉で書かれた手紙を原稿にして、また新しく日本語のものもつくる……その手伝いをすればいいのかな?」

思った疑問を口にすることはなかった。代わりにではないものの、齟齬が生まれてしまわないよう咲は手伝いの工程をともすれば冗長な表現で詳細に訊く。

「そうそう! そういうわけで……頼める?」

すると、喜色をにじませて肯定される。意図は問題なく汲みとれていたらしい。そしてここにきて、あらためて依頼される。


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