過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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845: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/08(火) 14:00:35.39 ID:36P3Vv2Ko
実はこうして具体的な用件で夕食を共にとったあともネリーが咲の部屋に残るのを望むのは、一〇日足らずの付き合いで初めての事だった。ネリーが夕食を相伴に預かる機会は会ってから半々ほどだった。昼の弁当を含めればもっと高い頻度で咲の食事を口にしているだろうが、それはさておき。一緒に夕食をする半々の際はとくに理由らしい理由をつけず夕食のあとも咲の部屋でしばらく過ごしていった。自分の部屋などで時間を潰してしまっていいのだろうかと咲の脳裏に心配がよぎったものの、帰った方がいいとは言えなかった。今日は理由がある。

しかし、気のせいだろうか。座高の関係から見上げてくるネリーの無邪気そうな瞳、そこには相手が受け入れるという確信が宿っている。そんな風に咲は感じられた。

でもすぐに思い直す。思い過ごしだろう。ともあれ、手紙の書き方と漢字くらいならよほど凝っていて難解なものでなければ力になれそうだ。そう知って咲の気持ちは浮き立った。

「うん、私でよかったら手伝うよ」

「けっこう長い手紙だから、時間かかりそうなんだけど……」

咲は頭の中に時計を思い浮かべる。おそらく今七時かそれくらいだからまだ時間には余裕がある。終わらなくたって、明日以降に回せばいいのだ。相手さえよければそれもできる。実際に時計のほうに目はやらなかった。時間を気にする素振りに見えて気にさせてしまうかもしれないから。

「大丈夫。というか、手伝わせてほしいかな。お世話になってるし」

「ありがとう!」

華やいだ顔でお礼を言うと、ネリーは手元のバッグからペンや何やといった手紙を書くのに必要そうなものを取り出して、小さめのダイニングテーブルに並べていく。その最中。


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