過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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879: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/15(火) 23:45:35.08 ID:Y8k0m8hzo
「……ネリーとは、仲がいいね」

だから、躊躇いがちにハオが言った言葉は胸に刺さった。

「……」

「ああ、嫌みとか言いたいわけじゃないんだ。ちょっと不思議に思って」

実際、気にした風でもなくハオはそう話すと手にしたバッグからペットボトルを出し、それを飲んで唇をしめすと、水滴の残った唇から小さく息を漏らして何気なく咲を見つめた。

「あんまり気にしないで。咲がそうするってことは何か意味があるんだろうし」

ハオの言葉は咲の頑なさを受け入れていた。何かを押しつけるでもなく、関心を失ったようでもなく。

「それより誘いを受けてくれたのがうれしいな。断られるかもしれないって思ってたから」

そう笑いかけてくるハオの瞳は穏やかだった。その瞳は澄んでいて、その瞳に見つめられていると後ろめたいような申し訳ないような複雑な心境になる。

「断るなんて、そんな」

「まあまあ、思い詰めた顔しないで。今日は咲とたくさん打てそうで楽しみだな」

いろんな思いが胸に渦巻いている。しかし今それを気にするのはやめて、

「そうですね。私も楽しみです」

笑顔で、同意する。

「そういえばネリーはなんで来てないんだろうね?」

「たぶん手紙を出すのに……あっ! 誰かに伝えるの忘れてた!」

ハオの素朴そうな疑問に思いだす。遅れたら伝言を頼まれていたのだ。

どたばたと駆けだして、ネリーの遅刻の理由を伝えにいく。

「本当にネリーには気を許してるんだね」

その後ろで、微笑ましそうなハオの声が上がったが、咲の耳には届かなかった。



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