過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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◆JzBFpWM762
[saga]
2015/12/15(火) 23:57:03.30 ID:Y8k0m8hzo
「ええと、それでは現金書留の方は五〇万……」
「五〇万一六〇〇円! 一六〇〇円忘れないでよねっ!」
そう念押しするネリーが印象的だったが、悪く感じるものは咲の中にない。部室の部員たちではないが、いい意味で妙なおかしさがある。そう思った。
「は、はい、承りました」
手続きを終えて、署内をあとにする。捜査の進捗についてはインターネットの警察ウェブサイトの検索機能などで確認できるらしい。
見つかるのかな。見つかってくれるといいんだけど……目に映った署内で働く人々に咲は望みを託して、ネリーと並んで出入口の自動ドアを潜った。
「さーて、帰りますか!」
都会の喧騒あふれる街の表通りに出て、燦々とした陽射しにあたためられたアスファルトを踏みしめ、開口一番、ネリーが明るく切り出した。
空は青く澄み、まだ太陽が高く昇る時間帯。
警察署の敷地から踏み出して雑踏する街角に身を投げ出せば、繁華街にふさわしい人いきれが咲たちを出迎える。
「問題なく受理されてよかったね」
慣れない人込みに翻弄されかけつつも、何とかネリーの隣につけて歩く咲が話す。
「ほんとだよ。まともに取り合ってくれなかったらどうしようかと思った」
安堵したような表情を浮かべるネリー。機嫌がよさそうだ。
しかし一方で、咲は署内で聞いたある事情から顔を曇らせる。
「でもネリーちゃん、事件性……怪しい外国人の人に突き飛ばされて持ってたもの奪われたって……」
「あー、それだ。ほんとついてないよね」
「う、うん」
ついてない、というか……と咲は思ったが口にするのはやめた。
黒ずくめのサングラスをかけた風貌の外国人。
ネリーはそんな怪しい風体の人間に横合いから突き飛ばされて、まんまと手紙や現金書留の封筒をかっさらわれてしまったらしい。
咲はその話を聞いたとき驚いた。
都会ではそんなことあるんだなあ……と長野とは勝手の違う常識に戸惑うばかりだ。
「くっそー、あの突き飛ばしたやつ、今度見かけたらギッタギタにしてやるー」
「あ、あはは、危ないからやめとこうよ……」
不穏なことを言い出すネリーをたしなめる。負けん気の強いところは咲からしてネリーの好ましくも可愛らしいと感じている部分だが、それでネリーがひどい目にあうのは嫌だ。
「そういえばサキ?」
ふと、話題を変えるように呼びかけられる。
「なに?」
「えっと、一緒にきてくれてありがとね?」
咲の顔を見つめてネリーが言う。咲は面映ゆい気持ちになった。
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