過去ログ - 末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」 (旧タイトル【BとYとK】)
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2: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:28:35.59 ID:/hCDD+UR0
長兄「ははは、末妹は本当に欲がないな」

長姉「ふん、何よ、またいい子ぶって!」

次姉「お父さんに一番可愛がられているからって、調子に乗んじゃないわよ!」
以下略



3: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:29:29.02 ID:/hCDD+UR0
数日後、北辺都市から少し離れた土地、商人は帰途についていた。

商人「どうにか仕事も順調だったし、帽子とネックレスは王都で、木彫ナイフは北辺都市でいい物が見つかった」

商人「熊の毛皮は少し苦労した…どちらの街でも、毛皮工房にさえ在庫がなくて」
以下略



4: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:30:06.99 ID:/hCDD+UR0
商人「遠吠えは狼か野犬かわからんが、無人の小屋でいい、少しでも安全な場所を探さないと」

ガサガサッ

馬「ひんっ!?」ビクッ
以下略



5: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:31:17.64 ID:/hCDD+UR0
商人「ふう、美味しかった…ごちそうさま」

商人「豆のスープに温めたパン、できたてのオムレツ、添えてあった野菜も新鮮だ」

商人「どなたか存じませんが、本当にありがとう……」
以下略



6: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:32:01.10 ID:/hCDD+UR0
翌朝……

スズメ:チュンチュン

商人「もう朝か…ふわあ、よく眠れた。おや、枕元にまた手紙が」
以下略



7: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:33:00.69 ID:/hCDD+UR0
商人「……おや? 昨夜は気付かなかったが、バラの香りがどこかから漂ってくる」

商人「バラ…赤いバラ…末娘への土産……」

商人「だめだ、人様の庭、人様のバラ。しかも、恩人の」
以下略



8: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:34:21.06 ID:/hCDD+UR0
恐ろしい声「グゥオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

商人「!?」

馬「ひいん!?」
以下略



9: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:35:12.12 ID:/hCDD+UR0
商人「ゆ、許してください、いえ…申し訳ありません、お屋敷のご主人様……!」

野獣「土下座しても遅いわ! 貴様が手折った大切なバラ、その命で償ってもらう!」

商人「わ、私の命でよいのなら差し出しましょう……」
以下略



10: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:36:17.53 ID:/hCDD+UR0
商人「私は商人、南の港町で雑貨店を営んでおりますが、末の娘は看板娘として皆から愛されております」

商人「それもあの子が働き者で人懐っこい、心の優しい、謙虚な娘だからです」

野獣「この私に、両親とも失う娘を哀れんでもらって、解放されようという算段か? はっ、流石は商売人だな」
以下略



11: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:38:14.95 ID:/hCDD+UR0
野獣「14年しか生きてない子供の命を奪ったところで、何の埋め合わせにもなりはしない」

野獣「私にとって、必要なのは生きている娘、意味があるのは娘の今後」

商人「そ、そ…そ、それは、つまり…つつつつつ、妻に娶りたいと、そういう意味ですか!?」
以下略



12: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/03/16(月) 21:39:23.50 ID:/hCDD+UR0
商人「さすがに無茶です! どんなに馬を急がせても片道で二日、いやそれ以上かかりますよ!?」

野獣「罪なき馬を酷使しろとは言わぬ」

野獣「私の魔法の地図に従えば、二日かかる道なら二時間で着く。そして……」
以下略



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