391: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/04/26(日) 22:10:36.11 ID:2Hc51mMWO
ボタボタと義手が接続していた部分は既に止血が終わっていた。クルエルは義手ごと接続部を潰しており、激しい痛みにと出血に見舞われたが、どうにかクルエルから逃げおおせる事が出来た。
あの後、死に物狂いで走り、屋敷を抜け、たどり着いた場所は屋敷からそう遠くない森だった。
392: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/04/26(日) 22:11:23.53 ID:2Hc51mMWO
クルエルはジェラスを見つけるのに手間取っているようであった。
木々が生い茂る森の中では、流石の魔法少女でも捜索は難しいだろう。手懸かりとなる血も、既に止まってるからこれ以上は追うことも出来ない。
393: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/04/26(日) 22:12:07.97 ID:2Hc51mMWO
「はー……まーだっかなーどーこっかなー、ジェーラースーちゃーん」
クルエルはまだジェラスの義手を持っている。ジェラスの魔法は義手の変形だが、義手から切り離された今、魔法は使えない。しかし、クルエルから義手を奪い返せれば、義手を変形させて戦えるようになる。
394: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/04/26(日) 22:12:39.88 ID:2Hc51mMWO
奈都の屋敷は人気のすくない郊外にひっそりと立っている。これは当主が変わり者で人付き合いを避けた結果だと聞いたが、それが災いして会合場所であるカラオケボックスのある町からかなり離れている。
その間にみつかれば、命を落とす可能性は非常に高い。
395: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/04/26(日) 22:13:56.06 ID:2Hc51mMWO
しかし、なんだかんだと思いつつ、心のどこかで楽しんでいる自分もいた。
ジェラスは戦いが大好きだった。ルーツはまだジェラスがジェラスではなく、ただの東雲あいだった頃まで遡る。
396: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/04/26(日) 22:14:22.35 ID:2Hc51mMWO
よろよろと立ち上がったリーダー格と、下っ派が二人がかりで襲いかかる。あいはそれに真っ向から立ち向かい、拳を振るい、脚で蹴りつけ、それから更に数分後、その場に立っていたのはあいだった。足元には泣きながら許しを乞う二人の男の子が泥だらけで倒れていた。顔は涙と血でグショグショに汚れて、これを自分がやったのだと思うと、奇妙な嬉しさに包まれたものだった。
しかし、その嬉しさは数時間後には消えてしまった。この大喧嘩を聞き付けた両親から説教をくらい、挙げ句外出禁止令が出されてしまったからである。
397: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/04/26(日) 22:15:09.65 ID:2Hc51mMWO
しかし、あの日以来監視の強くなった親から隠れて戦うのは難しい。門限も中学生になった今でも夜6時で固定されているから、戦いの相手を探す暇もない。学校は喧嘩も争いも虐めも無く、極めて平和で、あいのストレスは日に日に強まっていった。
しかし、そんなときに魔法少女育成計画と出会うことが出来た。友人の誘いで始め、ストレス解消の為にやりこんでいたのだが、ある日魔法少女に選ばれ、こうして魔法少女ジェラスになることができた。
398: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/04/26(日) 22:16:52.05 ID:2Hc51mMWO
しかし、時々魔法の国から直々に依頼されて悪い魔法少女の討伐を請け負う事もあった。あの戦いは忘れられない。魔法少女として、始めて全力で戦えた。あのときの興奮は今でも思い出すと胸が震えてくる。
そうだ、あのときの興奮をもう一度味わえる。クルエルは強い。その上残虐で、手加減を知らない。きっとあのときの魔法少女以上に楽しい戦いが出来るはずだ。
399:名無しNIPPER
2015/04/26(日) 22:18:31.85 ID:nuEaP5aao
1
400: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/04/26(日) 22:19:50.86 ID:2Hc51mMWO
今日はここまで
401:名無しNIPPER[sage]
2015/04/26(日) 22:21:37.24 ID:Mbz5Ruhc0
乙
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