457: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:05:39.27 ID:5wrjNZ16O
【クロース】
1
掃除が終わる前に時計の針が予定時刻十分前を指した。ボーンボーンと不気味な音が部屋に響く。
458: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:06:49.54 ID:5wrjNZ16O
と、ここであることに気づいた。人数が足りないのである。今ここにいるのはクロース含め七人。後二人、いや四人足りない。
と、思っていたらアナスタシアがドタドタと駆け込んできた。余りの慌てぶりに何かあったのかと問い詰めたが、アナスタシアは結局何も言わなかった。遅れた理由については、掃除など庶民のやること、高貴なアナスタシアのやることではない、とのことであった。
459: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:07:38.67 ID:5wrjNZ16O
「はっ、アタシにとってはライバルが減って好都合だけどな」
突然天井から声が降ってきた。
460: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:08:14.70 ID:5wrjNZ16O
「ま、知ってても裏切ったことは許さねぇ。容赦はしねぇぞ?ミニチュアール」
声にドスを効かせて言った。思わず関係のないクロースまでゾクりとさせられる。その悪意を直に向けられているミニチュアールの恐怖は相当なモノだろう。
461: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:08:40.61 ID:5wrjNZ16O
「……そこまでもん。二人とも」
と、沈痛な声が聞こえた。その場所へ目を向けると、赤と青で色分けされた球体がいた。マスコットキャラクターのファムである。
462: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:09:07.60 ID:5wrjNZ16O
ファムは一応はこの死の試験を改善するよう努力してくれたらしい。しかしファムのマスターは聞く耳をもたなかったようだ。
罪悪感で一杯なのだろう、体を縦に揺すって謝罪の意思を示した。
463: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:09:43.85 ID:5wrjNZ16O
「それはそうと、さっさと試験内容を教えろよ」
飛鳥だ。
464: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:10:14.51 ID:5wrjNZ16O
「これまたふざけた試験だなぁおい」
飛鳥が苦笑しながら言った。クロースは呆れて声も出ない。主催者はクロース達を馬鹿にしているのだろうか、それとも遊んでいるつもりなのか。
465: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:10:41.23 ID:5wrjNZ16O
「あ、あの!」
と、その中から声が上がった。先程から傍観していた魔法少女、トトである。
466: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:11:08.24 ID:5wrjNZ16O
「で、では、試験スタートもん!」
質問や意見などが二三交わされ、そしてついに試験が始まった。さっそく奈都の一派が中央に集まる。
467: ◆Og3LtLVi5H27[saga]
2015/06/28(日) 22:11:48.23 ID:5wrjNZ16O
ランランランがトトの肩を叩いて鼓舞しているのが見えた。恐らく二人で組むのだろう。
ミニチュアールはずっと奈都にくっついて離れない。
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