過去ログ - 【ダンガンロンパ】ダンロンでほのぼのと百合百合したい
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29: ◆AZbDPlV/MM[sage saga]
2015/04/03(金) 14:44:31.75 ID:rDrtENsh0
 空木さんの部屋に戻って、空木さんが平静を取り戻してから、ことの成り行きを聴いていた。
 自分で頼んだことだから、彼らに非はないことを一生懸命に説明された。自分がしたことで、彼らが私たちに叱られてしまわないかと不安なのでしょう。そんな彼女の配慮はなんともいじらしい。

霧切 「あなたなりに頑張ろうとしていたのね」

空木 「……あなたと離れたいからです」

 やっぱりそうなのね。彼女の答えに私は苦笑する。
 今のままにしておくと、ますます彼女の問題は深刻化してしまうでしょう。だから、理由はどうあれ、空木さん自身が克服しようと動いていたことが嬉しい。結果は芳しくはないけれど、その一歩こそが大事なのだから。

空木 「……ショックです…大門くんをあんなに酷く拒絶してしまうなんて…私のためにしてくれようとしたのに」

 さきほどの自分の状態を思い出してか、空木さんは沈痛な面持ちで俯いてしまう。

空木 「大門くん、新月くん、蛇太郎くん、みんな好きなのに、私の体はそんなの無視して震えて、まともに呼吸ができなくなって……」

空木 「私がみんなを嫌ってるみたいでイヤでした…そう思われてしまったかもしれないです…でも止まってくれなくて……」

空木 「自己嫌悪で死にたくなります」

 今にも泣き出しそうに頭を抱えながら、弱々しくため息を吐く。

霧切 「気持ちは解る。だけど、空木さんは彼らを仲間だと認めていたからこそ、頭に触れることを許したということを、彼らも理解しているはずよ」

霧切 「気に病む必要はないわ」

 あの敵しかいない街でずっと一緒に生き抜いてきた仲間なのだから、なおのこと。それをくみ取れない子たちではないだろう。そんなに脆い絆ではないはずだ。

空木 「気休めはやめてください……でも」

 空木さんの重い表情が、顔をあげるのと同時に少し和らいていた。

空木 「少しだけですけど…“本当の優しさ”も理解できました」

 ぽつりと零した空木さんの言葉……聞き間違いではないわよね?

空木 「卑らしい打算もなにもない、純粋に私の様子を心配するみなさんの姿で、これがそうなんじゃないかって、気づきました」

 誰かが苦しんでいたのなら、心配し、気にかけるというのは普通のことだ。優しさに違いはない。けれど、彼女がそうおもうほど、それほど、彼女の周りは彼女に対して優しくなかったのだろうか。嬉しさよりも少し悲しくなった。

空木 「……お姉さんは頭を撫でられるの、好きですか?」

 頭を撫でられることが好きかどうか……? 考えたこともなかった…というより、解らない。

霧切 「頭を撫でてもらった記憶がないから、解らないわ」

空木 「え?」

霧切 「祖父から探偵の教育を受けていた時間が長かったから……母が亡くなった後、父が姿を消してしまって以来、祖父に探偵としての教育が本格化していたし……それ以前にも撫でてもらったことがあったのかどうか……」

空木 「……」

 空木さんは唖然としていた。私も唖然としてしまったわ。いまさら気付くだなんて……!

空木 「お姉さんも普通の家庭とは言い難いですね。私達に比べたら可愛いモンですけど」

霧切 「……そう、ね…?」

 どうしよう……。なんだか自信がなくなってきたわ。
 こんな私が空木さんに優しさを教えようだなんて、笑い話にもならないわ。


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