過去ログ - 戦艦水鬼「光溢れる水面に、わたしも」
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10:名無しNIPPER[saga]
2015/03/24(火) 13:52:36.27 ID:qsbs6+9v0

 酸素魚雷、及び艦首魚雷の猛攻を全てその一身で――あるいは二身で受け止めて、戦艦棲姫の艤装がゆっくりと崩れていく。赤い油を垂れ流し、ぶちり、ぶちりと自重に耐えられなくなった肉片が剥がれ落ちながら。
 なぜ、と問う間もなく、駆逐艦の魚雷が大破の戦艦棲姫を襲った。ちょうど真下で炸裂したその魚雷は、戦艦棲姫本体の下半身と、右腕から肩にかけてをまっさらにして、同時に命の灯火も吹き消す。

 残った戦艦棲姫が旗艦を大破まで追い込むが、既に彼女もまた残った駆逐艦、及び軽巡と重巡に囲まれている。二発の魚雷を受け、艤装と本体が断絶、それぞれが四断されて沈んでいった。

 そのとき彼女は確かに何かを叫んだ。言葉となっていたかは非常に怪しかったが、それでも、彼女は叫んだのだ。

 うらやましい。



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